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司法取引、効果のほどは 弁護士の役割が重要に

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最近、司法取引という言葉をニュースでよく目にします。2018年6月から、犯罪を疑われた人が捜査に協力した見返りとして、検察が求刑を軽くすることができるようになりました。日本版司法取引と呼ばれており、供述や証拠の得にくかった組織犯罪などを解明する効果が期待されています。

簡略化すると、司法取引にはプレーヤーが4者います。取引を通じ、容疑者は、共犯者らの犯罪についての供述や証拠の収集に協力することなどを約束できます。検察官は、見返りに起訴を見送ったり求刑を軽くしたりすることが可能です。弁護士も含めた3者で協議し、合意が取れれば書面にまとめます。容疑者が証拠をでっちあげたりすると、5年以下の懲役が科されます。検察官は合意を守らないと、取引で得た供述や証拠を裁判で使えなくなります。

4者目のプレーヤーである裁判官は、合意内容を認めなかったり求刑よりも重い刑を言い渡したりすることができます。ただ、プラム綜合法律事務所(東京・新宿)の梅沢康二弁護士は「合意が簡単に破棄されると、制度が活用されなくなる。まだ適用例が少なく断言はできないが、裁判官も合意を尊重するのでは」と話しています。

司法取引では、容疑者に共犯者らを裏切らせるだけの見返りが必要となります。カギとなるプレーヤーは弁護士でしょう。刑法の研究者は「容疑者の持つ情報の価値だけでなく、取引を持ちかけるタイミングの見極めも重要だ」と指摘します。

取引をしそうな容疑者が他にもいるなら、相手よりも先に持ちかけなければなりません。ただ早すぎれば、検察側の情報収集の程度によっては価値が低いと判断されかねません。取引は、容疑者が起訴された後も可能です。

米国では、刑事事件の90%以上で司法取引があるともいわれており、自分の罪を認めることで刑を軽くすることができます。日本では重刑を逃れるためにやっていない罪を認めてしまうことを問題視する声もあり、共犯者など他人の罪についての司法取引しか導入されていません。また、被害者らの感情への配慮もあり、殺人や性犯罪などは対象外となっています。

日本でも定着するでしょうか。「裏切り」を引き出すという点で似た仕組みに、入札談合などを自主的に申告した企業に対する、独占禁止法による課徴金減免(リーニエンシー)制度があります。06年に導入され、17年度には35社が制度を使いました。2つの制度に詳しい拓殖大学の丹野忠晋教授は「司法取引も適用例が増えれば、徐々に定着していくのでは」とみています。

丹野忠晋・拓殖大学教授「検察官の裁量大きく、裁判官の判断大切」

司法取引とよく似た仕組みとして先行するリーニエンシー制度の現状と課題について、拓殖大学の丹野忠晋教授に聞きました。

――まず、リーニエンシーの現状はどうですか。

「うまく定着しているといえる。申請はファクスに限られており、送られてきた順番によって減免の程度が決まるなど、申請する側にも分かりやすくしたことも一因だろう。公正取引委員会による入札談合などの調査開始後でも申請ができ、企業の間で、相手が裏切って申請したらどうしようという状況をつくれている」

「導入時には、企業同士で仲間を裏切るような仕組みは、日本ではうまくいかないと言われていた。今は株主から、他社がリーニエンシー制度を利用しているのになぜ利用しないのかと訴えられるリスクを、経営者が意識するまでになった」

――課題はありますか。

「企業が事実関係を確かめるために社内調査をするが、一定の時間がかかる。企業は一度申請したものの、減免の対象と認められてしまえば、新たな事実を提示しないかもしれない。事件の解明のためには、追加情報についても公取委と共有したくなるような仕組みも、あったほうがいいだろう」

――司法取引についてはどうでしょうか。

「リーニエンシー制度は、事件の規模に応じて課徴金がある程度決まっているで分かりやすい。一方、司法取引では検察官の裁量が大きい。懲役など最後は裁判官が判断する部分もあるだけに、検察官がどこまで罪を減じたりできるかをきちんと担保することが重要だ。容疑者にとっては、交渉力のある弁護士が必要となる」

――容疑者が自分の罪を軽くするために他人の罪の証拠をでっちあげる可能性もあり、冤罪(えんざい)への不安が聞かれます。

「司法取引をすれば、検察官がより多くの証拠を収集することができるようになり、従来見過ごされていた犯罪を罰せられるようになる。自白でなく、物的証拠などに重点を置いた検証が必要になるだろう。裁判官の証拠を判断する能力を高めることも大切だ」

(久保田昌幸)

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