長文を打つ気にさせるキーボードはどれだ?

モバイルノートでも絶対に軽視してはいけないのが、入力性だ。タイプ感の悪い製品は長文を打つ気になれない。逆にいうと、長文を打たないならクラムシェルタイプのモバイルノートを買う意味もないだろう。スマホやタブレット、サーフェスタイプのキーボードカバー式の2イン1でも十分だ。

このクラスのモバイルノートは、キーストロークが1.2~1.5ミリ程度しかなく、打ち心地がいいとはいえない。好みの問題もあるので独断と偏見で評価すると、バイオのキーボードは2機種とも1.2ミリのストロークが浅すぎて、残念ながら長文を打つ気にはなれない。ただ、配列とキーピッチは文句なしなので、ストロークが気にならない人にはお薦めできる。

ストローク、ピッチともに文句なく気持ち良く文章が打てるキーボードだ。しかし、タッチパッドに左右のクリックボタンがないのは大きなマイナスポイントだ
キーピッチが1.2ミリと浅く、気持ち良く長文を打つ気にはなれなかった。ただし、配列とピッチは文句なしで打ち間違いが少ないキーボードといえる

左右の幅いっぱいまでキーボードを配置することで、前モデルよりだいぶ打ちやすくなった。ただ、たわみが大きく、タッチパッドに左右のクリックボタンがないのが残念だ
超軽量モデルながら1.5ミリのキーストロークを実現しており打ちやすい。配列も上々で、今回の5機種の中では一番のデキだ

「バイオSX14」と同じく、配列とピッチは文句ないのだが、1.2ミリのストロークが浅すぎて、気持ち良く打鍵できなかった。それさえ気にならなければお薦めできる

「ライフブックUH-X/C3」は、1.5ミリストロークで、超軽量モデルとしては打ちやすく、配列も上々。矢印キーがしっかり下がったレイアウトが使いやすい。今回の製品の中では一番気に入っているキーボードだ。

「ダイナブックG8」も、キーボードはかなり打ちやすいのだが、タッチパッドに左右のクリックボタンがないという大きな欠点がある。そのため入力性をトータルで考えると点数を低くせざるを得ない。この点が差し支えないなら選ぶ価値はある。

「ラヴィ ノート モバイル」は、コンパクトなボディーにもかかわらず、今回のフルモデルチェンジでキーボードを本体の左右ギリギリにまで配置した。ずいぶん打ちやすくなったのだが、残念なことにたわみがかなり大きく、またタッチパッドに左右のクリックボタンがないのも残念だ。

結論 個人的には「バイオSX14」が欲しい

さて、この5モデルの中でどれを選ぶべきだろうか。完成度が高い製品ばかりなので非常に難しいが、予算と用途で選んでみよう。

まず、2イン1で手書きをしたいなら「バイオA12」しか選択肢はない。現時点で手書きに対応しているモバイルノートの中では、最高の製品なので迷わず選択するべきだ。逆に、タブレット的に使いたいとか手書きをしたいという希望がないなら、選ぶ意味がない。

手書きができる2イン1モデルが欲しいなら迷わず選択するべきだ。逆にタブレットとして使わないのであれば、このモデルを選ぶ意味はない

予算が限られるなら、「ラヴィ ノート モバイル」が良い選択だ。下位モデルは、実売で11万円前後で手に入る可能性もある。性能や入力性などに我慢する必要はあるが、20万円クラスのモバイルノートとはそれなりの価格差があるのだから致し方ない。多少我慢しながらでも、モバイルノートを毎日持ち歩けるメリットは大きい。

20万円クラスの製品と比べれば劣る部分も多いが、毎日持ち歩けるモバイルノートを手に入れるメリットは大きい。このモデルは14万円台だが、セレロンを搭載する下位機種なら11万円前後で手に入る

予算があって軽いモデルを狙っているなら、「ライフブックUH-X/C3」と「ダイナブックG8」を選ぶことになる。バッテリー駆動時間と価格でダイナブックが優れているが、実は、「ライフブックUH」シリーズの下位モデル「UH90/C3」はかなり近いスペックで、実売価格も18万円前後とこなれている。ダイナブックG8とはSSDの容量などに違いがあるので、どちらにするか迷うところだ。

性能も高く、軽量で携帯性にも優れるベストバランスマシン。実売価格は20 万円近いが、コアi7、8ギガのメモリー、512ギガのSSDなどは6~7年先でも使えるスペックだ
600グラム台の軽さは非常に魅力。ただし高額なだけに、万人向けとはいえない。むしろ下位モデルの「UH90/C3」(写真下)が、898グラムと少し重くなり、SSDも256ギガになってしまうが「ダイナブックG8」のライバルだ

一方、実売価格で24万円を超えるライフブックUH-X/C3は軽さに特化して飛び抜けた製品という印象だ。600グラム台の軽さは非常に魅力的だが、万人向けとはいい難い。

「バイオSX14」は、外出先でもガンガン作業をしたいなら良い選択肢だ。また、メインマシンとしても十分に使える画面の広さが素晴らしい。個人的にもかなり欲しいのだが、1.2ミリの浅いキーストロークがどうしても気になってしまう。この点が大丈夫という人にはお薦めだ。

ひと回り大きい14型液晶を搭載し、メインマシンとしても十分使えるモデルだ。個人的にも欲しいのだが、惜しむらくはキーボードのストロークの浅さだ

[日経PC21 2019年3月号掲載記事を再構成]