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問い続ける人の思考法

革新者100人と日本変える 野村総研室長、現場の意地 野村総合研究所 2030年研究室室長の斉藤義明氏(上)

2019/3/3

野村総合研究所 未来創発センター2030年研究室室長 斉藤義明氏

予防医学研究者の石川善樹氏が、自らの価値を世に問い続ける人々の思考法に迫る対談シリーズ。今回のお相手は、野村総合研究所で2030年研究室室長を務める斉藤義明氏だ。様々な分野で社会課題の解決に挑む革新者100人と対話し、その知見やネットワークを生かして北海道などで地方創生プロジェクトを進めている。「一度レールを外れた」経験が、従来の発想にとらわれない行動力の源泉になっているという。

■革新者の知見と地域の意欲を掛け合わせる

石川 斉藤さんは3年かけて、革新的な手法で成果をあげている起業家や自治体の首長ら100人に会いに行ったそうですね。そもそも始めたきっかけは何だったのですか。

斉藤 野村総研の未来創発センターの中に「2030年研究室」が設置され、私が室長に就きました。12年9月のことです。文字通り、30年ごろに日本社会が直面するであろう課題を予測し、解決策を探るのが主な目的です。未来予測の場合、データをもとにシミュレーションしたり、有識者を集めて委員会を設けたりするのが一般的な手法です。

ただ、私は単純に未来を予測して課題を示すだけでは、解決のために人は動かないんじゃないかと考えました。もっと実践的で具体的なモデルを提示できないか。そこで思い付いたのが、すでに独自の手法で課題解決に踏み出している人たちと対話する中で、未来の課題を解決するトリガー(引き金)となるモデルを導き出すという手法でした。

石川 その成果が16年に刊行した『日本の革新者たち』(ビー・エヌ・エヌ新社)という著書ですね。アウトドア商品で熱狂的なファンを持つスノーピークの山井太社長、子育て世代の人口増に成功した千葉県流山市の井崎義治市長ら、個性的な人たちが並んでいます。導き出した成果はどのように活用しているのでしょう。

斉藤 日本の成長戦略にどう貢献していくか。試行錯誤の結果、全国各地で地域を活性化したいと意欲を燃やす人たちと、100人の革新者の知見を掛け合わせて新しい事業の種を生み出すことを考えました。第1号として、北海道の十勝地方で地元の方々と一緒に農業や観光、移住に関連した事業を進めています。革新者の何人かの方には講演に来ていただきました。現在は沖縄、山陰、新潟でもプロジェクトが走っています。

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