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未来面

人に「ドラレコ」を装着 ITで安心な街をつくりたい 三井住友海上火災保険社長への提案

2019/3/4

日本経済新聞の未来面は、読者や企業トップの皆さんと課題を議論し、ともに作っていく紙面です。今回は三井住友海上火災保険社長・原典之さんからの「住み続けたい街づくり実現へ必要な保険は?」という課題について、学生の皆さんをはじめ読者から多数の投稿をいただきました。過去のテーマ・課題はこちらからご覧いただけます。




【課題編】住み続けたい街づくり実現へ必要な保険は?

原典之・三井住友海上火災保険社長

当社は今年度から始まった中期経営計画「Vision2021」において、「社会との共通価値の創造(CSV)」を掲げ、社会の持続的な発展とともに、成長することを目指しています。

原典之 三井住友海上火災保険社長

その取り組みの道標となるのが2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)です。SDGsには17のゴールがありますが、その中の1つに「住み続けられるまちづくりを」という目標があります。実際に、当社も住み続けられる街づくりをサポートする取り組みを進めています。

近年、認知症の方は増加傾向にあり、2016年の踏切事故の裁判は大きな話題になりました。当社は、認知症の方が線路に立ち入って電車が運行不能となり、鉄道会社に損害を与えるようなケースにも対応した保険商品を開発し、ご家族に「安心」を提供しています。

今年1月には、神戸市が創設した認知症の方にやさしい街を目指すための制度「神戸モデル」に当社も保険を通じて参画しました。その他にも北海道の肉牛農家向けに、牛が骨折して商品として出荷できなくなるリスクに対応する保険も誕生させています。

これらは、当社が所属するMS&ADグループが開催した「サステナビリティコンテスト」で表彰された取り組みです。保険商品の販売ありきではなく、地域の社会的課題を解決するという視点からアプローチし、実際に地域の課題解決に貢献しようとするものです。

昨年はあおり運転や高齢ドライバーによる自動車事故の多発が社会問題となりました。そこで1月からドライブレコーダー付き自動車保険を発売し、安心・安全を求めるお客さまから、高い評価をいただいています。このように社会のニーズに合っているものは、必ず社会に広がっていくものと思います。

西日本豪雨では自動車の被害も大きかった

また、近年は台風や豪雨による自然災害が多く、特に建物や自動車の水災による被害は深刻です。

それらを補償する保険や防災・減災のノウハウを伝えていくことも、保険会社の役割だと考えています。

世の中は日々変化し、保険はその変化に応えていくことが必要です。サイバー社会での様々なリスクに備える保険は、これからますます重要になるでしょう。

社会は進化し続け、新たなリスクが生まれます。それに対応する保険を世に送り出し、社会との共通価値を創造するビジネス、それが保険事業だと思います。

そこで読者の皆さんにお願いです。皆さんの回りには、どんな課題がありますか。それに備え、住み続ける街をつくるために、どんな保険があったらいいですか。海外におられる方も含めて、皆さんのユニークなアイデアをお聞かせ頂ければと思います。

(日本経済新聞2019年2月4日付)

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