深田と浜口、キョウコ違いが面白い CM好感度が上昇
2019年1月度 CM好感度月間ランキング
CM総合研究所が発表する1月度の銘柄別CM好感度ランキングで、東京ガスが9位にランクイン。「キョウコおねえさん」にふんした深田恭子と浜口京子が、それぞれアニマル浜口や大勢の人と歌い踊る新CMが、「キョウコ違いが面白い」と高い評価を得て、トップ10入りを果たした。
東京ガスにガスと電気をまとめるとお得になることを訴求する「でんきdeラッキー」のCMシリーズは、昨年7月からスタート。教育番組風のセットで、深田が電気のおねえさんにふんして老若男女と歌い踊る。
第3弾となる新CMでは、深田の電気のおねえさんと同じ衣裳を着た浜口が登場。「東京ガスにまだ電気をまとめていないお友だち、京子おねえさんだよー!」と呼びかけると、大勢の人が駆け寄ってくる。浜口はキャンペーンなどを説明し、アニマル浜口の声援にうなずいたり、彼のタックルをねじふせたりする。最後は全員で「♪ウキウキウッキッキ 浮いたお金で 浮いたお金で 霜降り牛」という歌にあわせてダンスを踊る。
東京ガス広報部広告担当部長の佐藤隆一氏は、深田を起用した理由を「性別・年代を問わず幅広い層からの好感度が高く、認知度も高い国民的女優だから。清楚(せいそ)ながらも元気でかわいらしいイメージを持たれているところで、その雰囲気をより引き出せるよう他のキャストとの絡みの中での一瞬の表情にこだわりました」と言う。
そして今回は、浜口のバーションをあわせてオンエア。「名前が同じ浜口京子さんを起用し、『キョウコおねえさん違い』の面白さで話題化することを狙いました。浜口京子さんは国民的なアスリートであり、何事にも一生懸命で明るく元気なイメージが魅力で、歌やダンス、表情にその雰囲気が出るよう意識しました。またアニマル浜口さんは元気あふれるキャラクターが魅力で、本CMでもいつものパワフルさが表現できるよう、演出にこだわりました」(佐藤氏)
実際、モニターの声も「深キョンだと思って見ていたら浜口京子でびっくりした」「キョウコつながりで浜口京子のバージョンが始まったのは、思わず笑ってしまった」「浜口京子のキャラクターが生かされている」「いつもと違うキョウコが出てきて面白かった」とインパクトや面白さを称賛するコメントが圧倒的だ。
2018年、深田を起用して「でんきdeラッキー」シリーズが始まった際は、CM好感度の8月度銘柄別ランキングで6位を記録。同社として約4年ぶりのトップ10入りを果たすヒットCMとなった。今回は、それ以来のトップ10入りである。CMの主な支持層は30代以上の男女だ。
CM総合研究所の関根心太郎代表は、バージョン違いというアイデアを高く評価。「深田さんで始めたCMがフックになって、効いていますね。キャンペーンを伝えるということなら深田さんのバージョンだけでよかったかもしれませんが、次のステップとして、利用者が実際にガスと電気をまとめようとなったときには、東京ガスを身近に感じてもらったり、好きになってもらうことが重要。浜口さんのバージョンを加えたことで、面白いとか、親しみが持てるというブランドイメージを広げることに成功しています」
キャラクターにあわせ歌詞にも違い
印象的なダンスを振り付けたのはラッキィ池田。深田、浜口それぞれの歌詞に合わせてダンスが違うのも見どころだ。「歌の最後のフレーズが、深田さんはタラバガニ、浜口さんは霜降り牛。それぞれのキャラクターにあわせて歌詞を変えるのも面白く、ユーモラスな印象を強めています」(CM総研の関根氏)。CM好感要因の得票数は「出演者・キャラクター」がトップで、「ユーモラス」「音楽・サウンド」「かわいらしい」が続く。
シリーズCMの人気を維持するのは難しいが、キャストにあわせたバージョン違いという巧みな工夫で新たな話題をつくり、ヒットを継続させた好例といえそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
■当月オンエアCM:全2750銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある
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