「バイトテロ」で株下落 株主は損失を請求できる?弁護士 志賀剛一

それ以外に、会社そのものに損害が生じた場合、株主が会社に代わって取締役の責任を追及し、その損害を会社に賠償するよう求める「株主代表訴訟」という制度があります。

株主代表訴訟は従業員が発生させた損害を賠償させる制度ではありません。訴える相手はあくまでも取締役です。会社に発生した損害について、取締役に何らかの注意義務違反があった場合にそれを追及する制度です。

頻発するバイトテロや不適切動画に対し、取締役らが何も対策を取らずに損害が拡大したような場合であれば、ひょっとするとこの訴訟の対象になるかもしれません。

しかし、株主代表訴訟は難易度の高い訴訟であり、弁護士に依頼すればそれなりに費用もかかる半面、被告になった取締役から会社に対して損害が賠償されるだけで(それによって株価が回復することはありえますが)、株主代表訴訟を提起した株主に対して直接損害金が支払われるわけではないので、その点は留意が必要です。

スマホの持ち込み厳禁、実践は十分可能

「アルバイト教育が大事だ」というような論調も目にするのですが、スマートフォン(スマホ)の職場への持ち込み厳禁を徹底すれば、このようなことは起きないと思います。

くらコーポレーションでもスマホ持ち込みは禁止されていたそうですが、アルバイトがそのルールを破っていたとのこと。店内に入る前に店長らがあらかじめアルバイトのスマホを預かっておき、帰りに返すというようなことは十分実践可能だと思うのですが、いかがでしょうか。システム開発の現場など、そういう職場はいくらでもありますよ。

志賀剛一
志賀・飯田・岡田法律事務所所長。1961年生まれ、名古屋市出身。89年、東京弁護士会に登録。2001年港区虎ノ門に現事務所を設立。民・商事事件を中心に企業から個人まで幅広い事件を取り扱う。難しい言葉を使わず、わかりやすく説明することを心掛けている。08~11年は司法研修所の民事弁護教官として後進の指導も担当。趣味は「馬券派ではないロマン派の競馬」とラーメン食べ歩き。
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ビジネスパーソンの住まいと暮らし
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