遺族年金はもらえるか 知っておくべき5つのポイント

写真はイメージ=PIXTA
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老後のお金を考えるなら、配偶者が先立った後のことも頭に入れる必要がある。「遺族年金があるから大丈夫」と思いたいが、条件が合わずにもらえなかったり、金額が少なかったりといった落とし穴もある。早いうちから仕組みを知って生活設計に役立てたい。

受け取る大半が妻 優先順位は子が高く 金額、予想より少ないことも

「最近はご主人の老齢年金の相談に夫婦で来る割合が増えた。その際に、遺族年金はいくらもらえるかを聞く人が多い」と社会保険労務士の望月厚子さんは話す。

遺族年金の請求書一式

夫1人で来ることもあれば、妻が夫の委任状を持って来ることもある。あとに残ることが多い妻の経済的な不安を映したり、夫がその妻の生活を思いやったりしての行動だ。80代の母親が遺族年金を主体に年に200万円以上もらっているので、自分も同じくらいあるだろうと思い込んでいた50代の女性もいた。夫の遺族年金の見込み額を伝えたら絶句したという。

一方、子どもが成長した夫婦では生命保険を見直す際に、夫が亡くなった場合の遺族年金額を確認することがよくある。その金額を踏まえて、死亡保険金などを再考するからだ。

遺族年金は一家の働き手や年金を受け取っている人が亡くなったときに、残された家族のその後の生活を保障する。老齢、障害と並ぶ公的年金の3種類の給付のひとつだ。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった人の年金の加入状況などによってどちらか、または両方が対象になる。自営業やフリーランスといった国民年金の人は遺族基礎年金が、会社員や公務員など厚生年金の加入者なら遺族基礎年金と遺族厚生年金が当てはまる。

厚生労働省によると、遺族年金をもらっている人は遺族基礎年金の約10万人に対し、遺族厚生年金は約550万人と年々増えている。大半が女性で夫を亡くした妻が多いようだ。平均の受取額はともに月8万円台。年金世代はこれに自分の老齢基礎年金などを加えた金額がその後の生活の基盤となる。

夫が亡くなると、残された妻の多くは遺族年金をもらえると考えるが、当てが外れることもある。社会保険労務士の永山悦子さんは「遺族年金は残された妻に支給されるものだと思いがちだが、まず優先されるのは18歳未満の子ども」と指摘する。遺族基礎年金は子がいないともらえない。遺族厚生年金も、受け取り順位の1位は子のある配偶者か子になっている。仮に子が独立した夫婦で夫が先に亡くなったとしよう。もし、妻とは別の女性との間に生活費の面倒をみていた18歳未満の子がいたとすれば、遺族厚生年金は子の方に支給される。妻がもらえるのはその子が18歳になって権利を失ってからとなるため、それまで妻には支給されないことが多い。

遺族年金はもらう人だけでなく、亡くなった人にも条件がある。これらについては知らなかったり、勘違いしていたりということも多い。その注意点を挙げると──。