不調が改善する「体幹リセット」 まずは正しい呼吸で

日経ヘルス

女の体幹に必要なのは「やわらかさ」と「強さ」
女の体幹に必要なのは「やわらかさ」と「強さ」
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スタイルや不調が改善する、という「体幹リセット」。その第一歩は、腹筋強化ではなく、肋骨が大きく動く「正しい呼吸」ができることだとわかりました。まずは、体幹リセットについて新たにわかった事実を知ってから、カンタンなチェックで、いまの自分の体幹の状態を把握しましょう。

3つの「体幹検定」であなたの体幹の「やわらかさ」と「強さ」をチェック!

女性の体幹に必要なのは「やわらかさ」と「強さ」。まず呼吸をリセットするのが正解。猫背や肩こり、腰痛、疲れやすさ、太りやすさを感じている人は、体幹がうまく使えていない可能性大。体幹を使えるようになるには、実は、正しい順番があることがわかった。体幹検定では、いまの体幹の状態をチェックしてみよう。

体幹リセットのエクササイズで効果を出すには、今の自分の体幹のやわらかさと強さを知って、自分に合った方法を選ぶのが大事。体幹力を「呼吸」「骨盤」「肩甲骨」の3パーツにわけて判定。1つずつやってみて、各メソッドに挑戦してみよう。

【体幹検定1】呼吸

「呼吸で肋骨を大きく動かせる?」

肋骨がやわらかく動けば、お腹まわりが安定し、良い姿勢を保てる。

【呼吸チェック1】

1 肋骨の下のほうをつかむように手を当てる。

肋骨の下のほうに手を当てて、お腹の中に大きな風船を膨らませるイメージで吸い込んでみよう。親指は背中側に当てておく。

2 息をめいっぱい吸い込む。このとき肋骨はどう動く?

吸い込むことで肋骨が前後左右に広がるかどうかをチェック。背中に当てた親指も後ろに押されるか意識してみよう。

【Check! 肋骨の動きはどれに一番近い?】

吸い込んだときに、肋骨の下側が横に広がり、さらに背中側にも動けば、体幹の深層にある呼吸筋の横隔膜がしっかり働いている。


★弱い ほとんど動かないまたは肩が上がる

肋骨の下にある横隔膜の動きが悪くなっています。緊張しやすく、肩こりに悩んでいませんか?まずは頑張りすぎずに、ゆったり、しっかり吐くことを意識するところから。

★★ふつう 横に広がる

安静にしているときは横隔膜が動き、正しく呼吸ができている可能性が高い。動いているときも正しい呼吸ができることを目指そう。


★★★優秀 横にも後ろにも広がる

横隔膜の動きがよく、体幹リセットで最初に取り組むべき「正しい呼吸」ができていると考えられる。次の体幹検定2「骨盤」へ進もう。

【呼吸チェック2】

1 息を吸い切ったときの肋骨の周囲を測る。

息を吸ったときと吐いたときで肋骨がどのくらい動くか測る。メジャー(またはひも)を肋骨下部に巻いて、めいっぱい吸い込んだときのサイズ(または位置)を記録しておく(A)。

2 息を吐き切ったときの肋骨の周囲を測る。

メジャー(またはひも)を巻いたまま、今度は息を吐き切ったときのサイズ(または位置)を記録する(B)。AとBの差が何cmかで横隔膜のやわらかさを判定する。

体幹の働きに詳しい早稲田大学の金岡恒治教授とスポーツドクターの中村格子さんに、体幹リセットは「何から始めるといいか?」と聞いたところ、2人とも「呼吸」を挙げた。息を吐いてお腹をぺたんこにするドローインや、吸ったときにお腹が風船のように360度広がる呼吸は、体幹の深層筋がよく働き、体幹の安定性に欠かせない「腹腔内圧」を高めるのに不可欠だから。

運動不足やストレスで体が硬くなると、呼吸が乱れて姿勢が崩れがち。その状態ではどんなトレーニングをしても正しい動きができない。まずは肋骨を大きく動かす呼吸が、体幹がしっかり働くための第一歩。

腹腔内圧が高まると体幹が安定して姿勢もラクに保てる


背骨以外支える骨がない腹部は、内臓を包む大きな風船のような「腹腔」と、体幹深層筋(図の4つ)の働きで姿勢が安定する。呼吸で動くのは、肋骨下の横隔膜と骨盤底筋群。この2つが連動して内臓を上下から押し合うことで腹腔内圧が高まる。肋骨の動きが悪かったり肩で呼吸をしたりすると、横隔膜が十分に動かない。
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「骨盤を傾けずに右腕と左脚を曲げ伸ばしできる?」