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女性アスリート、第二のキャリア開花 コンサル転身も

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NIKKEI STYLE

運動競技を引退した後のセカンドキャリアで活躍する女性が増えてきた。培った強い精神力や集中力がスポーツ界の指導的な立場やビジネスで生かされている。ただ、こうした転身を遂げる女子選手はまだ少数派。2020年の東京五輪・パラリンピック開催を控え、企業や大学が支援する機運が出てきた。

独立しコンサルタントに サッカー元女子日本代表の東明有美さん 

「私は五輪でオウンゴールを決めた最初の女子選手です」。1月、都内で開かれた働く女性らの国際交流イベント。コンサルタントの東明有美さん(46)が英語で自身の来歴を話すと、会場から笑いと喝采が起きた。サッカーの女子日本代表ディフェンダーとして国際大会で活躍した東明さんは00年の引退後、電通に入社。大学院などを経て現在は独立し、企業向けの人事・研修コンサルタントをしながら大学教員を務めている。

転身は簡単ではなかった。経済情報などの知識はおろか、基本的なパソコンの操作知識もない。何より「定期的にある大会が日々の目的の選手時代と違い、自分で課題を設定しなければいけないのが大変だった」と振り返る。

それでも、仕事を続けるうち、アスリートとして培った能力がビジネスで生きることに気付いた。例えば、うまくいかなかったプロジェクトに臆せず何度も新たな企画を持っていく。「スポーツでは失敗するのもそこから挽回を図るのも当たり前」

国際コンサルティング会社のアーンスト・アンド・ヤング(EY)が14年、世界の女性経営幹部400人を調べたところ、女性経営幹部の52%に大学レベルのスポーツ経験があり、74%がスポーツ経験はキャリアにプラスと答えた。EYの佐々木ジャネルさんは「女性リーダー不足の日本にとってスポーツ出身者は貴重な人材候補」と期待する。

ただ、東明さんのような例はまれだ。引退後は家庭に入るか補助的な仕事に就く元選手が多い。「選手は競技だけに集中すべきだという風潮が根強く、引退すると燃え尽きたり、どうしてよいか分からなくなってしまったりしがち」(佐々木さん)。女子の場合、本格的な大学スポーツが少ないため男子と比べ高卒者が多い背景もあるという。

JOCで選手教育 ボブスレー元五輪代表 桧野真奈美さん

同社は13年、女性アスリートにメンターを紹介したり国際的なネットワークづくりを促したりする「女性アスリートビジネスネットワーク」を設立。世界中で有望な選手や元選手に無償でプログラムを提供している。参加した元ボブスレー五輪代表の桧野真奈美さん(39)は「海外の選手は若い時から複数の競技をプレーしたり、引退後を考えて勉強したりと視野が広い印象を受けた」と話す。

桧野さんは現役時代、自らスポンサー集めに奔走し、外国チームに飛び込んで練習に参加した経験を持つ。現在は日本オリンピック委員会(JOC)での選手教育や、子供向けのワークショップで活躍する。「ボブスレーをはじめ、スポーツを支える仕事をしていきたい」と意気込む。

実はスポーツ界で指導的立場の女性は少ない。文部科学省の報告書によると、直近の夏季五輪3大会の選手団で女性コーチの割合は1割程度。競技団体などの幹部は男性が大多数を占める。順天堂大女性スポーツ研究センター長の小笠原悦子教授は「一般社会と比べても遅れていると言わざるを得ない」と話す。

同センターは女性の指導者を増やすため、15年からリーダーシップや指導技術を磨く合宿を開いている。これまで計120人が参加した。大学院のスポーツ健康科学の修士課程では女子テニスの杉山愛さんを皮切りに、高卒の元アスリート3人が学んだ。

元自転車ロードレース選手の沖美穂さん(44)はその修士課程に進んだ一人。日本自転車競技連盟の職員として働きながら「自分の経験だけでなく、勉強した上で後進を育てたい」と一念発起した。

英語の論文を読み、ディベートに参加するのは「学部での基礎がない分、苦労した」。でも持ち前の集中力を発揮して仕事の傍ら週4日、夜中近くまで大学の図書館で研究や論文執筆にまい進。近く修士号を取得する見込みだ。

沖さんは4月から自転車競技連盟で外国人コーチの指導や指導者育成のプログラム作成、自転車競技のPRなど、より責任の重い立場に転じる予定だ。「大学で理論を学び、スポーツ以外の業界の人と出会うことでキャリアの幅が広がった」と話している。

スターの影響力に期待 ~取材を終えて~

「目標から逆算して必要な努力を尽くす力が半端ではない」。順天堂大の小笠原教授は元選手の学生らをそう評する。15年から高卒の女子選手を大学院で受け入れての実感という。スポーツ選手にはスポーツしか得意分野がないとみられがちだが、それではあまりにもったいない。取材した元アスリートたちからは確かに圧倒的なパワーを感じた。

近年、スポーツ界にはセクハラやパワハラなど不祥事の話題が絶えない。男女の平等な競技環境も遅れがちという。ただ、スポーツが社会に与える影響力の大きさは計り知れない。第2のキャリアで輝く女性アスリートのスターが日本社会全体を引っ張ることに期待したい。

(木寺もも子)

[日本経済新聞朝刊2019年2月25日付]

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