ノイズ対策や長時間駆動 快適ワイヤレスヘッドホン
スマートフォンと無線で接続して音楽が聴けるワイヤレスイヤホンが人気だが、より大ぶりなワイヤレスヘッドホンも新製品が続々登場している。ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能を備え、駆動時間も長い人気製品を比較した。
イヤホンより耳への負担少なく
大きさに余裕があるヘッドホンにはイヤホンにはない音響面のメリットがある。ヘッドホンは豊かな低音や音空間の表現で有利なのだ。さらに耳に入れ鼓膜近くで鳴らすイヤホンに比べ、耳への負担が少なく疲れにくい。冬は耳を覆って寒さを和らげるのにも役立つ。
そんなワイヤレスヘッドホンの中でも人気なのが、ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能を備えた製品群だ。ノイズキャンセリング機能は、外の騒音と逆位相の波形を作って重ねることで騒音を打ち消す。
電車や飛行機の中でこの機能をオンにすると、それまで聴こえていた騒音がすっと小さくなり音楽に集中できる。音楽を聴きとりやすくなるためボリュームを過度に上げる必要がなくなり、耳への負担が減るのもメリットだ。耳栓としても使える。
外音取り込み機能は、外の音をマイクで拾い、あえて聞かせる機能のこと。ヘッドホンでもイヤホンでも、かけたまま街中を歩くと、近くを通る車や人の音に気付きにくくなり、事故やトラブルに遭う危険性が高まる。
買い物時に店員と会話するため、いちいちヘッドホンを外すのも面倒だ。そんな時に外音取り込み機能が備わっていれば、こうした危険や面倒を減らせる。メーカーによって同機能は、ヒアスルーやボイススルーなどと呼ばれることがある。
実際に買う時は、音の傾向が自分に合うか店頭で確かめることはもちろん、各機能の効き具合を確かめることが大切。さらにノイズキャンセリング機能を使ったときのバッテリー駆動時間の長さ、装着感の良しあしを確かめたい。装着時は目立つため、デザインも重要だ。価格帯は2万~3万円台半ばが中心。新製品中心にこれらの機能を備えたものを何種類かピックアップしてみた。
まずは若者を中心に人気のブランド、Skullcandy(スカルキャンディー)の「Venue」。ノイズキャンセリング性能の高さが特徴で、紛失防止タグである「Tile」(タイル)機能を内蔵し、どこに置き忘れたか不明のとき、音を鳴らして捜し出すなどの機能がある。無線接続とノイズキャンセリングを併用した時の駆動時間は24時間。実勢価格は2万1300円前後になる。
パナソニックの「RP-HD600N」は、環境に合わせて3段階のノイズキャンセリング機能を使い分けられる。ボールジョイント機構で耳にフィットしやすい装着感や、3色のカラーバリエーションをそろえたデザインも魅力だ。ノイズキャンセリング使用時の駆動時間は約20時間で、実勢価格は2万1800円前後。同じデザインでさらにグーグルアシスタントに対応し、音声で音楽再生の操作などができる「RP-HD610N」もある。
MP3などの圧縮音源を高音質化
一方、ソニーの「WH-1000XM3」はMP3などの圧縮音源をハイレゾ相当に高音質化する機能や、眼鏡の有無といった個人の差に合わせノイズキャンセリング機能を最適化する機能などを備える。操作は、ボディー表面のタッチセンサーで行い、駆動時間はノイズキャンセリング時で30時間だ。実勢価格は4万3000円程度だ。
オーディオテクニカの「ATH-ANC900BT」は環境に合わせた3つのノイズキャンセリング効果を選択でき、操作はタッチセンサーでできる。駆動時間はキャンセリング時で35時間と長いのが特徴だ。実勢価格は3万7800円前後になる。
(日経トレンディネットライター 湯浅 英夫)
[日本経済新聞夕刊2019年2月23日付]
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