スマホ手続き・損益通算… 確定申告の疑問に答えます確定申告のポイント(6)

2018年分の所得税の確定申告の期間は3月15日まで。「確定申告のポイント」の最終回は日経生活モニターへのアンケートを基に、多く寄せられた疑問を取り上げる。

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Q.スマホで申告できるようになったと聞いた。どのような手続きが必要か。

「確定申告会場では1時間以上待たされる」(山形県の70代の男性)。この時期、税務署は大混雑だ。特に最終週(今年は3月11~15日)は人が集中する。

給与収入のみの会社員で、申告するのが医療費控除と寄付金控除だけなら、18年分から始まったスマートフォン(スマホ)申告を活用できる。

電子申告には「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」があるが、スマホでは現状、「マイナンバーカード方式」は使えない。「ID・パスワード方式」の場合、マイナンバーカードは不要だが、ID・パスワードを入手する必要がある。

ID・パスワードは、税務署で職員と対面し、本人確認後に発行してもらえる。住所地の管轄税務署ではなく、例えば職場近くの税務署などでも手続きできる。

記者(44)は18日に都内の税務署を訪れた。署内にはスマホ専用コーナーが設置されており、そこでパソコンに必要事項を打ち込んで電子申告の開始届を提出。税務署員に運転免許証を見せて本人確認が終わると、ID・パスワードが発行された。手続きに要した時間は約10分だった。

スマホ専用画面に源泉徴収票、医療費や寄付金の領収書類などを用意して入力する。氏名、住所、マイナンバーなども入力して送信すれば申告完了。スマホによって推奨閲覧ソフトが異なるので、国税庁のサイトで確認しよう。

Q.年金生活者で株式を運用している。17年分の損失の繰り越し控除を受けたいが、確定申告すると社会保険料が上がると聞いた。

損益通算や損失の繰り越し控除をすると、利益と損失が相殺され、所得税は源泉徴収されていた税金の一部が還付される。一方、上場株式の譲渡益や配当を申告すると、所得金額が増えることによって、所得金額を基準にして決まる国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料が上がってしまうことがある。

所得税と住民税はそれぞれ異なる課税方法を選べる。柴原一税理士は「住民税については『申告不要制度』を選ぶと、保険料の算定対象にならない」と指摘する。角田壮平税理士は「市区町村に住民税の課税方式を申告するのを忘れずに」と助言する。

確定申告によって配偶者控除や扶養控除に影響が出る可能性もある。配偶者や子供などに扶養されている人が、損益通算や損失繰り越し控除のために申告をして合計所得金額が38万円を超えると扶養から外れる。扶養している側も申告の結果、同1千万円を超えると、配偶者控除・特別控除が受けられなくなる。

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