大学進学、奨学金手続きは要確認 説明会出席が必須大学生のためのマネー講座(4)

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら
2019/3/14

申し込み書類を準備する“手間ひま”を甘く見ない

 奨学金の申し込みに必要な書類は、きょう書いてあす出せるようなものではありません。気をつけておきたいポイントを3つほど紹介します。

 一点目として「貸与確認書」では借りる人と、親権者または未成年後見人の署名・なつ印が必要です。それぞれ別のものを押印することが求められます。たとえば自宅住まいで親権者が両親というケースなら、ご自身分と両親分の合計3種類の印鑑が必要になります。

 そして、2点目としては、収入要件を満たすことを示す書類の「年収(見込)証明書」の作成に思ったより時間がかかることです。「手持ちの源泉徴収票で大丈夫だろう」という大人の常識とは異なり、JASSO所定の様式で親(申込日現在の家計維持者)の勤め先に作成してもらって添付する必要があるのです。締め切りはまだ先だからとのんびりしていると間に合わない可能性も。早めに親に様式を渡して依頼しておきましょう。

 続いて3点目は、必要書類のことです。単身赴任者や長期療養者の家族がいると、それに関わる必要書類があります。たとえば親が単身赴任中の場合でも、前述の親権者の署名・なつ印は本人の筆跡であることが求められるため、書類を郵送するなどの手間がかかります。加えて、家計維持者が単身赴任中であれば、単身赴任実費計算書という書類の提出も。

 このほか、学生本人の住民票も必要なので、時間を見つけて役所で発行してもらっておきましょう。

無事に採用された後の流れを知っておこう

 さて、申し込みの書類を提出した後の流れも、ざっくりと確認しておくと安心です。まず、大学が学業成績や家計状況などを審査して、適格者をJASSOに奨学生候補者として推薦します。その後、JASSOが審査して採用の判断を行う流れで、その採否が大学に通知されて、後日、大学の掲示板などを通じて確認できるようになります。

 ここで気を付けたいのは、採用が決まった学生は採用者説明会への出席が必須になっている点です。この採用者説明会で受け取った返還誓約書は、記入の上、必要な添付書類をそえて期限までに提出する必要があります。もしも提出をしないと奨学金の採用が取り消され、それまでに振り込まれた奨学金があれば即時返還が求められます。

 こうしてみてくると、お金を借りるのはけっこうたいへんですね。奨学金は学生であるみなさん名義の借金なので、最後まで気を抜かないように手続きしてみてくださいね。

竹下さくら(たけした・さくら)
兵庫県神戸市生まれ。慶応義塾大学商学部卒。損害保険会社、生命保険会社を経て1998年にFPとして独立。現在に至る。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉商科大学大学院MBA課程(会計ファイナンス研究科)客員教授。2児の母。主な著書に「『教育費をどうしようかな』と思ったときにまず読む本」(日本経済新聞出版社)、「奨学金を借りる前にゼッタイ読んでおく本」(青春出版社)。
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