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人事を変えるテクノロジー

2019/2/27

人事を変えるテクノロジー

「HRテックを導入するなら、組織をどう変えたいのか、そのためにテクノロジーをどう使うのかという哲学を持つべきでしょう。当社の場合は、『これからの組織は会社と個人が一緒につくっていかなければならない』というのが一番大事な点です。それには、社員が絶え間なくフィードバックし、リーダーやマネジャーがそれを受け止めて行動を起こす必要があります。この循環で組織への信頼が生まれ、そこで初めて社員のエンゲージメント(組織との一体感に基づく貢献意欲)が表れると考えています」

――社員のフィードバックをどう吸い上げ、意思決定にどう生かしていますか。

「新しい組織を立ち上げるために130人くらい採用したとき、『シンクロサーベイ』という仕組みを導入しました。週の初めに社内のチャットツールを介し、新人全員に仕事の充実度や前向きさのレベル、コメントなど簡単なアンケートに答えてもらいます。回答は、瞬時にマネジャーたちが見るチャットの投稿に上がります」

人事部門、育成にからみやすく

「スコアが低かったり、気になるコメントがあったりすると、マネジャー同士が対応策をチャットで話し合い、すぐに行動に移せるのです。誰がどう動き、どういう反応があったかを簡潔な文章で入力し、蓄積しています。週に1回、マネジャーと人事が入るミーティングを開き、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの「タブロー」を使って『職務の与え方がずれているのでは?』『他部署との協力体制がやる気に悪影響を及ぼしている』など、様々な角度からスコアを分析します。大量の細かい情報を手間なく扱えるようになり、組織を少しずつ変えられるようになっています」

――マネジャー側も意識を変える必要がありそうです。

「特別な研修などはしていませんが、社員の情報が一覧化され、変化がはっきりわかると自然に行動を起こすようになります。人事としても、気になるメンバーがいたら、その人の『取説』などを見てマネジャーと改善方法を話し合うなど、一歩踏み込んだ対応ができるようになりました」

――HRテックの次の目標は。

「どんな人に、どんな対応をして、どうスコアが変わったか、というデータが蓄積されてきています。次のステップは『レコメンド』ですね。たとえば、AIが『この人たちは、数週間以内に大きくコンディションを崩す可能性があります』と助言してくれるようなことができるかもしれない。それで『推測される原因はこれです。対策の選択肢には、この2つがあります』などというとか。遠くない将来、実現したいことの一つです」

(ライター 高橋恵里)

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