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丸井グループの青井浩社長

丸井グループの青井浩社長

丸井グループは2008年と早い段階から残業削減に取り組み、働き方改革の先駆的な企業として知られる。「残業が大嫌い」と公言する青井浩社長は05年に就任以降、仕事に対する意識改革を推進。本業のビジネスモデル改革も同時に進め、収益力の向上へと結び付けた。(前回の記事は「経営危機乗り越えた 丸井社長の『問い掛ける』指導法」)

残業を減らさないと仕事観は変わらない

――かつては年に130時間以上だった残業時間が、直近では42時間に激減したそうですね。

「人に話すと、たいてい『年間じゃなくて月間ですよね?』と聞き返されます。働き方改革という言葉はまだなくて、働くプロジェクトとして始めたのが08年でしたが、自分の中では1990年代後半くらいから、残業削減を絶対にやると決めていました」

――なぜそう決意したんですか。

「バブル崩壊からずっと業績が回復せず、ここが正念場だと幹部が連日のように残業をしていたんです。我々が先頭に立って頑張っていれば、きっとそのうちよくなると信じて。でも全然よくならない。3年たち、5年たち、そして心身共に疲労のピークに達した。それでも夜10時ごろまで延々とおじさんが集まっている」

「会議と称していたけど、あれは何だったのかな。上司が黙ると部下が下を向いて黙って、いつの間にか1時間たっていたとか。あるとき意識がぼんやりしながら、皆の顔を見渡しているときに、はっと気付いたんです。待てよ、業績が悪いのは、おじさんたちが夜な夜な残業していることが根本的な原因なんじゃないかと。そのときから残業が嫌いになって、どうにかしないといけないと思い始めました。啓示みたいなものでしたね」

――残業がここまで減った理由は何だと思いますか。

「現場からのボトムアップで進めたというのもありますが、もう一つ、私は残業がとにかく大嫌いなんです。残業が好きな社長だと、何となくにじみでてしまうのではないでしょうか。私は夜には会議を入れられても、勝手に帰っちゃいます(笑)。社外の方に会ったり、家族と過ごしたり、人間らしい生活に変わりましたよ」

――そこまで徹底したのはなぜですか。

「まず時間で働くという意識を変えないと、価値を創造していくという仕事ができないんですよね。自分の労働力を時間で売っているような受動的な仕事観を持つ人の集まりではうまくいかない。そういう仕事観を変えるために、まず残業を減らした。仕事というのは時間で評価されるべきものではなく、アウトプットによって評価されるべきもの。そう意識を転換していくための最低限の必要条件が残業削減でした」

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