出遅れ日本株 「三大割安株」の復活カギ(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

写真はイメージ=123RF
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「三大割安株の共通点は、高水準の利益を上げているのに将来に対する不安材料があって、株価が割安に放置されているということだ」

2019年に入り米国株が力強く反発しているのに、日本株の戻りは鈍いままです。米ダウ工業株30種平均の上昇率は2月20日時点で18年末に比べ11%ですが、日経平均株価の上昇率は7%にとどまります。

日本株が出遅れているのは何が原因でしょうか。米中貿易戦争が及ぼすインパクトの差が表れているという指摘があります。

つまり、貿易戦争は中国および日本の景気にマイナス影響が大きいが、米景気はあまり影響を受けないという見方です。日本と中国の株価指数は製造業と輸出企業の構成比が高く、貿易戦争の影響が出やすい構造です。

一方、早くから製造業の空洞化が進んだ米国の株価指数は今はIT(情報技術)やヘルスケア産業の構成比が高くなっています。従って、貿易戦争があっても打たれ強い構造というわけです。

日米の株価格差の根本はIT大手の力の差

確かに、それもあると思います。ただ、私はもっと根本的な問題があると思っています。日米でIT大手の力の差が歴然としてきたことが、日米の株価パフォーマンスに響いていると考えているのです。

18年10~12月期の日米決算を見ると、グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックなど米IT大手の業績は好調ですが、LINE(ライン)、ヤフー、メルカリなど日本のIT大手の業績はさえません。

米IT大手が世界のITインフラを支配して稼いでいるのに対し、日本のIT大手は狭い日本で過当競争に陥り、収益が悪化している例が多くなっています。

21世紀は人工知能(AI)、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」、次世代通信規格「5G」の普及によって、ネットがリアルを代替していく流れがどんどん加速するでしょう。その波に乗っている企業が米国には多いのですが、残念ながら日本には少ないという現実があり、それが日米の株価パフォーマンスの差になっていると思います。

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