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食の達人コラム

日本人SAKEネゴシエーター 欧州で日本酒売り込む 世界で急増!日本酒LOVE(8)

2019/3/1

欧州で日本酒の魅力を伝える上野建太郎さん(中)

「欧州のSAKEネゴシエーター」と呼ばれる日本人がいる。日本酒の輸出販売だけでなく、日本食材や技術、伝統工芸品などを欧州各国へ紹介したり販路の拡大を手がけたりするメリディアンパートナーズの上野建太郎代表取締役だ。現在、飲食カテゴリだけで約10社と取引があり、日本酒は約10種類を取り扱っている。日本酒ビジネスは事業全体の3割を占めている。

上野さんはもともと、地方の酒造会社の経営改善に取り組んでいた。日本酒を海外に広めようと決心したのは約6年前のこと。地方の小資本の酒造が生き残るためには、地元での販路拡大に加え、有名でなくてもシェアを狙える欧州マーケットの開拓が必要と気づいたからだ。

「国内の都市やアジア諸国、米国も検討しましたが、どこもレッドオーシャンだと感じました」と上野さん。当時、欧州では日本から進出した酒造会社が少なく、1リットルあたりの日本酒の買い取り単価も高かった。だが、1番の決め手は文化や歴史、哲学などの商品の背景(ワインでいうテロワール)を説明することが、商品の購入動機の上位にくることだった。

「現地で事業をスタートしたら、もうサバイバル・イングリッシュで、ジャスチャーを交えて覚悟を決めていくしかない」(同)と取り組んできて、現在は英国、フランス、スペイン(イビサ島)、スウェーデンで日本酒のビジネスを展開している。具体的には日本酒の販路拡大のための現地レストラン営業や、ホテルなどでの日本酒イベントの開催などを行っている。

英国のソムリエ協会に北海道の酒をプレゼンした時の様子 一番右が田中酒造、右から二番目が国稀酒造

欧州では和食の需要が拡大し、日本酒への関心は高まってきている。日本酒の輸出量はここ数年で2桁成長を続けている。

上野さんの会社では3年前に英国のソムリエ協会と業務連携し、同協会のカリキュラムに日本酒の授業を提供している。またスウェーデンのストックホルム料理専門学校で日本酒概要の授業も手がけている。現地のソムリエやレストラン関係者にとっても、日本酒の知識や経験を持つことは1種のステイタスとなりつつあるという。和食好きな人が増えており、日本酒のたしなみはグローバル・マナーの1つとも言える状況だ。

「英国は世界金融の中心地でもあり、欧州最大のマーケットとして進化し続けると思います。欧州で最も日本酒市場の拡大が狙えると思います」と上野さんは断言する。

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