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日本人SAKEネゴシエーター 欧州で日本酒売り込む世界で急増!日本酒LOVE(8)

ロンドンのホテルの中国料理店でも日本酒を扱うようになった 女性は佐賀県の蔵元・基山商店の小森さん 一番左の男性は福岡県の蔵元・若竹屋の篠田さん

欧州各国へ日本酒の魅力を伝えるのに大事なことは、日本の蔵元を知り、各国の売り先も良く知ることだと上野さんは考える。例えば蔵元なら、全国の蔵元を何度も訪問して近況を把握するのはもちろん、「蔵元の子供の成長とか、地元のお祭りの付き合い、杜氏(とうじ)の腰痛がひどいとか、食事の好みとか、あらゆる情報をできるだけ収集します」(上野さん)という。上野さんがサポートしてる数は、蔵元単体だけでも約20に上る。

商品の背景や歴史を重視する欧州の取引先が、「あの蔵元の杜氏はフランス料理が好きだから、こんな吟醸酒になるのかも」などと、作り手を思い浮かべて話が盛り上がり商談がまとまることも少なくないからだ。商品のスペックより、記憶に残るストーリーが大事なのだ。

ビジネスマンが日本酒で外国人を接待する時も同じだ。「このレストランのスペシャリテはエビだから、エビが良く取れる地域の日本酒を選んだ」「一度倒産しそうになった酒造会社だが、子供たちが蔵に戻って復活した」「この蔵元はロックが好きだからラベルにギターのマークがある」といった話が喜ばれるという。

日本酒は主食であるコメを原材料に、発酵技術を駆使してシンプルで繊細な作業で生まれている点を伝えたい、と上野さんは語る。「日本を代表する食文化がギュッと詰まっている日本酒は、世界で一番おいしいアルコール飲料だと思います。酒の温度帯や料理とのペアリングで味わいを変え、料理のうまみを引き出す。魚や肉だけでなく、野菜やスープ料理まで合うのは日本酒だけではないかと考えています」

上野さんの夢はさらに広がる。現在は日本の食品・飲料企業と欧州各国をつなぐ事業を手がける。将来は食全体の領域に広げて、日本を中心としたアジア圏と、英国を中心とした欧州圏の橋渡しができれば、と考えている。

(GreenCreate 国際きき酒師&きき酒師 滝口智子)


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