規制の壁は感謝で越える 和製ドライブシェアCREW

須藤 そこで、まずは実証実験でCREWの車を走らせてもらい、今は最終的に既存のタクシーなどとどう融合して運営していくかをデザインしているところです。

小沢 この手法は地方では絶対に必要ですよね。むしろ遅いくらい。

須藤 岡山県では18年春にバス会社2社の計31路線が廃止になって、移動手段の確保が本当に困難になってきています。そういった課題をシェアリングサービスで解決していくというのが目下の我々の目標です。

小沢 確かに地方や離島のほうが、露骨にドライブシェアが求められていると思ったのですが、ではなぜ東京で始めたんですか?

須藤 僕らが東京に住んでいて、最も身近だったからです。まずは無料でいいから誰が乗るのか試して、どのくらいニーズがあるのかを調べました。

今は収益よりプラットフォームづくり

小沢 なるほど。で、結局今はどういうシステムで、会社は利益をどうやって得ているんですか?

須藤 利益はこれからです。現状、料金は運転するクルーパートナーさんからはもらっておらず、乗った(利用者)側が支払う金額の内訳は、「実費と手数料と任意の謝礼」の3種類からなります。

実費はガソリン代や高速代です。手数料は「マッチング手数料」として1回のマッチングで20円、そして「プラットフォーム手数料」として1分ごとに20円が、運営会社である弊社に支払われます。謝礼は乗車後に任意で利用者が価格をゼロ円から設定でき、それをドライバーに支払う仕組みです。すべてアプリ上で完結します。

小沢 そりゃ、当分もうからないですね。

須藤 僕らは短期的なユーザー数の伸びや、ここ2、3年での収益は目指していません。良いプラットフォームをつくり上げていくところに注力しています。

小沢 クルーパートナーは実際どういう人がなるんですか?

須藤 クルマ好き、運転好きの人ですね。高級車や、なかにはオープンカーの方もいて、乗った人がすごく喜んだりして、クチコミで広がっているという現状です。

小沢 じゃ、僕もやってみようかな(笑)。

須藤 ぜひぜひ。小沢さんみたいな運転好きで、人と話すことが好きな方であれば、きっと楽しい体験ができると思います。

すどう・しんいちろう 1989年愛知県生まれ。AzitのCCO。東京理科大学理学部物理学科卒業。NPO活動のなかで吉兼氏と出会い、Azitを共同創業。卒業後は中部電力に就職。週末に上京してCREWの立ち上げに参画し、退職後にAzitに復帰。カルチャー領域全般を担う
小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、「ベストカー」「時計Begin」「MonoMax」「夕刊フジ」「週刊プレイボーイ」、不定期で「carview!」「VividCar」などに寄稿。著書に「クルマ界のすごい12人」(新潮新書)「車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本」(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。
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