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煙を噴き上げ大迫力 親子で楽しめるSLの旅10選

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NIKKEI STYLE

煙を噴き上げ、汽笛を鳴らし疾走する蒸気機関車(SL)。
乗車し、往年の迫力を体感できる場所が各地にある。
親子で楽しめる、おすすめのSLを専門家が選んだ。

観光の目玉に 息吹き込む

SLは観光の目玉として期待を集めている。今回1~10位に入ったのは石炭を燃やして水を熱し、蒸気を動力源に走る昔ながらのSL。しかし展示目的で長く静態保存された車両の場合、状態によっては多額の修繕費がかかる場合がある。そこで低コストで簡易な圧縮空気を動力源にして、SLを復活させようという動きも広がっている。

鳥取県の若桜鉄道は2007年に同方式で静態保存されていたC12に息を吹き込んだ。車両は人口減に危機感を持つ地元町民らが募金活動によって購入したもの。現在、若桜駅構内で動かしていて、運転体験(有料)もできる。「いずれ本線で本格的に動かしたい」と、自動車でいう車検を通す費用などを賄うため募金活動を行っている。

岐阜県の明知鉄道も15年、小学校で保存していたC12を圧縮空気方式で復活させた。同鉄道も本線で営業運転させる構想があり、「あけてつSLファンクラブ」を作って支援を求めている。神奈川県山北町もD52を同方式で動かせるようにした。軌道は12メートルだけだが「延伸の方向で検討中」だ。

1位 かわね路号
(静岡県) 1030ポイント
冬は掘りごたつ風座敷の「おでん列車」

小型SLのC10やC11、C56の計4両が、冬の一部平日を除き、ほぼ毎日運行している。あえてほとんど手を加えていないSL全盛時代の旧型客車にガタガタ揺られながら、茶畑が広がる大井川沿いののどかな風景を眺める旅は「タイムスリップしたような気分になる」(田澤真理子さん)。

木をふんだんに使った旧型客車は、「親には懐かしく、子どもには斬新に感じられるのではないか」(瀬端浩之さん)。窓が開閉できるため、「トンネルでけむい体験ができる貴重なSL」(杉山淳一さん)。「便利な時代に、あえて一昔前の雰囲気で旅するのはぜいたくな気分」(南田裕介さん)

車内で沿線の見どころを案内したり、ハーモニカの生演奏をしたりと「楽しい車掌さんも必見」(諏訪篤嗣さん)。冬は湯たんぽの入った掘りごたつ風の座敷で弁当やおでんが食べられる「おでん列車」を連結し、食事も楽しめる(3月3日まで、別料金)。

夏は子どもに人気のキャラクター「トーマス号」などが登場する。

(1)区間(乗車時間) 新金谷~千頭(約1時間15分)(2)運行期間 年300日以上(3)大人料金 乗車券1720円+SL急行券800円(4)問い合わせ先 電話0547・45・4112(大井川鉄道)

2位 SL人吉
(熊本県) 760ポイント
景色の迫力満点、展望車に子どもイス

「ハチロク」の愛称で呼ばれる大正生まれのSL8620がけん引する。「甲高い汽笛がかわいらしい。モクモク煙をあげてばく進する力強さも魅力的」(長根広和さん)。八代~人吉間は球磨川をまたいで行ったり来たり。「エメラルドグリーンに輝く水面は一度は見ておきたい絶景」(久野知美さん)。新八代駅では新幹線と交差し、「時間を超え、そこだけ異空間のような絵になる」(木村裕子さん)。

「ななつ星」など数々の列車を手掛けた水戸岡鋭治氏が客車をデザイン。1、3号車は高級感のあるサロン風展望車になっており、自由に利用できる。「ガラス張りになっているため、迫力満点」(諏訪さん)。先頭はハチロクの燃料を積んだ炭水車が間近に迫り、最後方は流れる景色が楽しめる。子ども用のイスもある。

子ども一人ひとりにメッセージを添えた切符を手渡すなど「乗務員の心のこもったサービスは秀逸」(櫻井寛さん)。人吉駅の名物駅弁「栗めし」も楽しみの一つで、鉄道ミュージアム「MOZOCAステーション868」がある。

(1)熊本~人吉(約2時間30分)(2)3月16日~11月4日の金土日祝などを中心に運行(3)乗1820円+指820円(4)電話050・3786・1717(JR九州)

3位 SLやまぐち
(山口県) 680ポイント
峠道の爆煙、車内に運転シミュレーターも

国鉄時代の1979年に走り始めた復活SLのパイオニア的存在。「貴婦人」の愛称を持つC57のほか、一昨年から「デゴイチ」として人気のD51も加わった。四季折々の景色が楽しめる長門峡など日本的な山河と山間を縫うように走る。「峠道での爆煙は全国一といっても過言ではなく、SL撮影ポイントの筆頭格」(長根さん)。津和野方面へ向かう列車は急勾配を登るための準備で仁保駅で約7分間停車、「撮影タイムがあるのもうれしい」(坪内政美さん)。

2017年に新造した客車はSL全盛期の旧型車両を再現したレトロ調で、2~5号車は戦前、戦後に活躍した代表的な車両をイメージした。1号車のグリーン車はかつて東京~下関間を走った特急「富士」の展望車の復刻版で、最後尾にオープンデッキがある。「デッキで感じる風は最高」(木村さん)

3号車には運転シミュレーターや石炭をくべる缶(かま)たき体験ゲーム、SLの仕組みや歴史を紹介する展示がある。「SLについて、世代を超えて楽しく学べる」(南田さん)

(1)新山口~津和野(2時間前後)(2)3月23日~11月24日の土日祝を中心に運行(3)乗1140円+指520円(4)https://www.jr-odekake.net/(JRおでかけネット)

4位 SL冬の湿原号
(北海道) 660ポイント
沿線にタンチョウヅルの姿

冬季限定でC11が北の大地をひた走る。「氷雪と厳寒の世界を満喫できる唯一のSL」(櫻井さん)。「真っ白な雪と真っ黒な蒸気機関車のコントラストが魅力的。蒸気も派手に舞い上がり迫力がある」(杉山さん)。運が良ければ、沿線にタンチョウヅルが美しい姿を現すことも。「鉄道ファンなら一度は撮影したい」(坪内さん)

ダルマストーブがあり「あぶって食べるスルメは忘れられない味」(学研プラス 図鑑・辞典編集室)。カフェ車両が連結され「温かいコーヒーが飲みたくなる」(南田さん)。

(1)釧路~標茶(しべちゃ)(約1時間30分)(2)今冬は2月24日まで(3)乗1070円+指820円(4)電話011・222・7111(JR北海道)

5位 SLばんえつ物語
(新潟・福島県) 650ポイント
豪華車内に滑り台やポスト

磐梯山や阿賀野川を望む磐越西線をC57が走り「100キロ以上の旅をたっぷり味わえる」(杉山さん)。パノラマ展望車で車窓を堪能できるほか「グリーン車もレトロ感を残しつつ、近代アートのデザインもあって豪華。思わずため息が出る」(木村さん)。1号車のフリースペースに滑り台を設置、子どもが退屈せずに遊べる。

注目は4号車の郵便ポスト。「投函(とうかん)すると特別な消印が押され、旅の思い出になる」(諏訪さん)。現在、検査中で運休。

(1)新津~会津若松(約3時間30分)(2)夏ごろ運転再開の見込み(3)乗1940円+指520円(4)電話050・2016・1600(JR東日本)

6位 SL銀河
(岩手県) 440ポイント
「銀河鉄道の夜」の世界観

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をイメージした客車をC58がけん引する。車両の外観には賢治が愛した星座や草花が描かれ、車内では光学式プラネタリウムを楽しめる。東北ゆかりの品々や資料を展示したギャラリーも。「(夜空を思わせる)ブルーの外観も含めて賢治の世界観が詰まった車内は子どもから大人まで魅了される」(田澤さん)

「道中には厳しい峠越えが各所にあり、C58の迫力ある勇姿が見られる。桜並木も随所にあって春の車窓も魅力的」(長根さん)

(1)花巻~釜石(約4時間30分)(2)4~9月の土日祝を中心に運行(3)乗1660円+指820円(4)電話050・2016・1600(JR東日本)

7位 SL大樹
(栃木県) 360ポイント
記念乗車証を配布、案内も工夫

2017年に復活したSL。北海道で活躍していたC11と四国で使われていた昭和生まれの客車を連結、「遠距離恋愛が実ったカップルのようでほほ笑ましい」(木村さん)。20年冬にもう一両新たなSLを動かす計画もある。日光江戸村との共同イベント(25日まで)や記念乗車証の配布、アテンダントによる観光案内など「また乗りたい、と思わせる工夫が随所にある」(久野さん)。

「下今市駅に展示館があるほか、迫力ある転車作業も見られ、SLの仕組みがよく分かる」(坪内さん)

(1)下今市~鬼怒川温泉(約35分)(2)土日祝を中心に運行(3)乗250円+指750円(4)電話03・5962・0102(東武鉄道)

8位 雨宮21号
(北海道) 320ポイント
森の中の童話のような風景

昭和初期まで東京にあった雨宮製作所による森林鉄道用SLで、動態保存されているのは国内で1台だけ。「ぷっくりした形の煙突がかわいいと、みんなに愛されている」(杉山さん)。丸瀬布(まるせっぷ)森林公園内の約1.8キロメートルの軌道は小川を渡る鉄橋を通ったり、キャンプ場のコテージの脇を通ったり。「森の中の線路を小さなSLが走る童話のような風景はここならでは」(杉崎行恭さん)

「スピードが遅いので、初心者でも美しい風景を背景に撮影できる」(長根さん)

(1)園内(約12分)(2)4月下旬~10月下旬の土日祝。GW・夏休み期間は毎日(3)乗500円(4)電話0158・47・2213(遠軽(えんがる)町丸瀬布総合支所産業課)

9位 SLぐんま みなかみ
(群馬県) 310ポイント
力走の駆動音に大興奮

人気のSL、D51がけん引する。「その迫力に見て、乗って、親子で興奮すること間違いなし」(学研プラス)。水上へ行く列車は急勾配を上り「力走するSLの駆動音は魅力たっぷり」(杉山さん)。国鉄時代に製造された貴重な青色の12系または茶色の旧型客車に乗れるのも楽しみの一つだ。C61がけん引する日もある。

利根川や諏訪峡の渓谷美が楽しめる。高崎駅に名物のだるま弁当やSL弁当があり「家族で駅弁を味わいながらSLの旅が体験できる」(瀬端さん)。

(1)高崎~水上(約2時間)(2)3~9月の土日祝を中心に運行(3)乗970円+指520円(4)電話050・2016・1600(JR東日本)

10位 パレオエクスプレス
(埼玉県) 280ポイント
転車台で回転作業見学

C58がけん引して山の中をのんびり走り、地元出身の落語家、林家たい平さんの車内アナウンスが流れる。首都圏からのアクセスがよく「荒川渓谷の季節感豊かな車窓に定評がある」(杉崎さん)。旧国鉄で使われていた客車は12年に内外装を刷新。「ワインレッドのボックスシートはレトロな雰囲気で趣がある」(田澤さん)

三峰口駅で転車台でのSLの回転作業が見学できる。「(ライン下りの)長瀞など観光スポットを通るので様々な旅で乗れる」(諏訪さん)

(1)熊谷~三峰口(約2時間40分)(2)冬は限定日。3月下旬~12月上旬は土日祝など(3)乗950円+自510円または指720円(4)電話048・523・3317(秩父鉄道)

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。列車名(地域)、(1)区間(乗車時間)(2)運行期間(3)大人料金(4)問い合わせ先。写真は1位尾城徹雄、7、10位岡村享則撮影。2位JR九州、3位JR西日本、4位JR北海道、5、6、9位JR東日本、8位遠軽町丸瀬布総合支所提供

調査の方法 専門家への取材を基に、かつて活躍し、現在も運行しているSLを19カ所リストアップ。親子で乗って楽しい、車窓が素晴らしい、写真に撮りたいなどの観点から、おすすめ順に1~10位まで選んでもらって編集部で集計した。

今週の専門家 ▽木村裕子(鉄旅タレント)▽久野知美(フリーアナウンサー)▽櫻井寛(フォトジャーナリスト)▽杉崎行恭(鉄道写真家、ライター)▽杉山淳一(鉄道ライター)▽諏訪篤嗣(いこーよ鉄旅ガイド)▽瀬端浩之(日本旅行鉄道プロジェクト次長)▽田澤真理子(KNT-CTホールディングス国内旅行部)▽坪内政美(鉄道写真家)▽長根広和(鉄道写真家)▽南田裕介(ホリプロアナウンス室マネジャー)▽学研プラス 図鑑・辞典編集室=敬称略

[NIKKEIプラス1 2019年2月23日付]

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