2019/2/27

方針なきインプットは迷走しか生まない

朝活でスキルアップができ、希望のキャリアを形成できた、目標を達成できた、などの声を聞く一方で、朝活している人に対して「意識高い系」と冷やかす声も耳にします。なぜ朝活している人は「意識高い系」といわれてしまうのでしょうか。せっかくのインプットがアウトプットにつながらず、言葉と実績がともなわずに空回りしている人が一定数いるからかもしれません。

今はネットで検索すれば何でも求める情報をすぐに手に入れられる時代です。何か疑問点や困りごとがあるとき、私たちは「検索窓」に助けを求めることができます。しかし、そこで目にする検索結果は、さまざまな視点でのそれぞれの真実にすぎず、絶対的な答えはありません。「会社員はオワコン(終わったコンテンツ。時代遅れといった意味)だ」「今の時代は副業だ」という意見も、ひとつの見方にすぎないのにもかかわらず、自分がよくフォローしているメディアで目にするため、世の中の全てがそういっているように勘違いしてしまうのです。

その結果「自分は本当は何をしたいのか」「優先順位は何か」などを考える暇なく、「何か動かないと」と外に解決策を求めます。腰を据えて考えるのは面倒でやっかいなことなので、闇雲にインプットに励むのです。方針なきインプットは迷走しか生みません。自分の実力と、輝いている起業家や実業家との違いは何で、今はどんな努力をすべきかと考えることをないがしろにし、一足飛びに違う自分になろうとするのです。そうすると学びと言動がちぐはぐとなり、「意識高い」と冷やかされてしまう原因となっています。

本来見直すべきは自分の価値観であり、どんな人生を送りたいかという「人生計画」です。そして人生計画は自分にしか立てることができません。しかし「人生計画」が外の世界にあると思い、それを探すために情報を求め、迷走してしまうというのが「意識高い系」の正体です。

「意識高い系」は闇雲にインプットに走ってしまいがち(写真はイメージ=PIXTA)

「戦略的引きこもり」としてのひとり朝活の提案

では「意識高い系」で終わらないためには朝をどう活用すればよいのでしょうか。私は解決策のひとつとして「ひとり朝活」を提案します。「ひとり朝活」とは、朝の静かな時間に、自分ひとりで内省するというものです。一般的に外にでて交流するのが朝活だと思われていますが、あえて「戦略的」に引きこもるのです。

将来のことを考え、今後に備えるためには結局時間の使い方を見直すしかありません。「時間があったらしよう」と思うばかりでは、いつまでも時間はつくれません。唯一自分の意志次第でつくることができる朝の時間を計画的に活用し、考える時間をつくりましょう。正解を暗記してより早く処理することが評価される時代はもうすぐ終わります。AI(人工知能)やRPA(ホワイトカラーの業務自動化)といった技術が発展し、今後面倒なことは機械がやってくれるようになるからこそ、とりかかるのにおっくうでずっと後まわしにしていた「自分の頭で考える」時間を、朝イチで意識的につくることが最も必要なことなのです。

私たちはふだん「あれもこれも」を追求し、なんでも効率化することに夢中です。しかし、効率的にてきぱきと情報を摂取しているようにみえて、振り返ってみると何も覚えていなかったり、いつのまにか、「手段」と「目的」をはきちがえて、間違った方向に進んでいたりということも往々にしてあるのではないでしょうか。この連載では、自分で考える力をつけるために必要となる「ひとり朝活」の具体的方法について述べていきます。

池田千恵
朝6時 代表取締役。朝イチ業務改善コンサルタント。慶應義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、朝活で人生計画を立てるコミュニティー「朝キャリ」(http://asa6.co.jp/asacari/)を主宰。9年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。