インフレに勝つ老後資産形成 リスク運用をほどよく物価上昇をマネーハック(4)

1カ月20万円の年金で生活していた夫婦がいたとします。仮に年2%のインフレが10年続くと、10年後に同じ生活をするためには24万4000円が必要になります。しかし、年利0.01%の定期預金では20万円は10年後に20万200円にしかなりません。

預金残高は一円たりとも元本割れしていないのですが、ほとんど増えもしません。これでは10年前と同じ買い物ができなくなります。つまり実質的価値、購買力が目減りしたことになるわけです。

一方で、安易なリスク運用にも注意が必要です。インフレを上回る収益を狙える可能性はあるものの、資産を多く振り向けた直後、リーマン・ショック級の相場急落がやって来ると、セカンドライフのマネープランにダメージを与える恐れがあります。

高齢期の資産管理については、取り崩し方法や商品開発などを中心に金融ジェロントロジー(金融老年学)という研究が進められていますが、インフレ対応をしっかり考えていくことも重要です。

現役世代の老後資産目標も上方修正

さて、現役世代が取り組む老後資産形成についても物価上昇にしっかり向き合う必要があります。

何といっても、金額ベースでのゴールが遠のくということは意識しておかなければなりません。現在価値で3000万円の老後資産目標を40歳のときに立てたとしても、65歳になるまでの25年間で年2%のインフレが続いたとすれば、65歳時点での必要額は4922万円となります。

これだけでもビックリするような数字ですが、ときどき5%以上の高いインフレが起きたりすると目標額はどんどん上方修正されます。

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