インフレに勝つ老後資産形成 リスク運用をほどよく物価上昇をマネーハック(4)

写真はイメージ=123RF
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今月のマネーハックは「物価上昇」の怖さと対策について考えてみました。私たちはインフレを何十年も経験していないため、物価上昇の危険性に気がついていないのかもしれません。

この問題、家計の節約やマネープランに影響するのはもちろんですが、老後資産形成においても大きな問題となってきます。今月の最後はセカンドライフのお金とインフレの関係について説明します。

マクロ経済スライドを4年ぶりに発動

今年の1月18日、厚生労働省は2019年度の公的年金受取額の改定についてプレスリリースを出しました。これによれば、18年の物価上昇率が1.0%であったこと、賃金上昇率が0.6%であったことを踏まえ、年金額を0.1%引き上げることが示されています。

プラス改定は4年ぶりですが、「マクロ経済スライド」を4年ぶりに発動しました。マクロ経済スライドとは物価や賃金の上昇率より年金額の上昇率を低く抑えて、将来世代がもらう公的年金の給付水準を確保する仕組みです。これにより、年金制度全体の安定性が確保されます。

マクロ経済スライドによる給付抑制は04年改革の柱でしたが、15年もかけて今回でようやく2回目の発動です。物価も賃金もほとんど上がらず、むしろ低下局面が続いたからです。

今回、マクロ経済スライドが本格的に動き出すということは、モノの値段が上がり始めた時代のスタートを意味しているのかもしれません。そして、マクロ経済スライドの発動は「モノの値段が上がっても、年金額は同じようには上がらない」という時代の到来を告げるものといえます。

公的年金額についてはしばらくのあいだ物価上昇に追随しなくなるという事実を認識し、リタイアメント世代は堅実な家計管理をする必要があります。

リタイア後の資産はインフレで目減り

さて、物価上昇時代がやって来るとリタイアメント世代は資産のすべてを定期預金にしておけばいいというわけにはいかなくなります。

インフレがスタートする時点では預金金利が物価上昇率を下回っていることが多いため、退職金を含めた高額の資産を預金で有している場合、5~10年で実質的価値が大きく目減りする可能性があります。

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