インフレに勝つ老後資産形成 リスク運用をほどよく物価上昇をマネーハック(4)

そうなると現役世代は目標額の上方修正とともに「毎月積立額の増額」を行うことがまず重要です。そして、「インフレに見合った資産価値の拡大」と「リスク資産のリターンがインフレをどれくらい超過することができたか」を定期的にチェックしていくことが求められます。

インフレに賃上げが追随していれば、目の前の生活は何とかなるかもしれません。しかし、長い将来に備えて真面目に資産形成をしようとする人ほど、インフレは頭を悩ますテーマといえます。

資産のどの程度を投資に振り向けるか検討

リタイア後の資産管理も、現役世代の老後資産形成もまずインフレに見合った資産の成長を意識し、実質的な購買力がキープされることを目指す必要があります。そうしないと、あなたの資産は「名目では減ってはいないのに実質では減ってしまった」ということになりかねません。

そして、可能であればインフレを上回る超過リターンを獲得し、購買力を維持する以上の資産の成長を目指したいところですが、過度のリスクテイクにも注意を払う必要があります(特に高齢者)。

いずれにせよ、リスク資産を自身の資産形成の一部に組み入れていくことが避けられなくなっていくでしょう。一方で、無理な投資が大きな損失につながる恐れもありますから、資産のどの程度を投資に振り向けるかしっかり検討することが大切になります。

株式投資などリスク運用の利回りを見ながら資産の何割をリスク運用に振り向け、資産の何割を預貯金でキープするか考えてみてください。

今まで私たちは投資は「投資した金額」の騰落だけを考えるものでした。しかし、インフレを前提としたこれからの時代においては「あなたの資産全体」で騰落を考え、インフレも意識しながらリスク管理を行っていくことになるのです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「共働き夫婦 お金の教科書」(プレジデント社)など。http://financialwisdom.jp
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