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「白血病」ってどんな病気 急性と慢性の違いは? 「急性骨髄性白血病」について知ろう

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2019/2/23

写真はイメージ=(c)Jarun Ontakrai-123RF
日経Gooday(グッデイ)

競泳選手の池江璃花子さんが白血病と診断されたことを公表しました。池江さんが発症した白血病について詳細は明らかにされていませんが、この記事では日本の成人で最も多い「急性骨髄性白血病」について、聖路加国際病院血液内科部長の森慎一郎先生に解説していただきます。

■急性骨髄性白血病とは?

白血病は、「血液のがん」といわれています。骨髄にある血液の工場「造血幹細胞」から、分化・成熟した血液細胞(白血球、赤血球、血小板)が作られる過程で、遺伝子に何らかの異常が起こることで細胞ががん化し、無秩序に増殖する病気です。

白血病は病気の状態から呼び名が変わります。未熟な細胞が増殖するのが「急性」、分化した細胞の増殖が抑制できなくなっているのが「慢性」です。感染症や生活習慣病のように、急性(急激に症状が始まる)から、慢性(長期間症状が持続する)に移行することはありません。

【白血病における慢性・急性の意味】

「急性」未熟な状態の細胞が増えること
「慢性」分化した細胞の増殖が抑えられないこと(ただし、分化していても正常な血球と同等の機能は果たせないことが多い)

さらに、細胞の種類によって「リンパ性」「骨髄性」に分けることができます。Bリンパ球やTリンパ球になる細胞ががん化するのが「リンパ性」、リンパ球を除く、赤血球・好中球・好酸球・血小板などになる細胞ががん化するのが「骨髄性」です。

【白血病におけるリンパ性・骨髄性の意味

「リンパ性」Bリンパ球やTリンパ球になる細胞ががん化すること
「骨髄性」リンパ球以外の赤血球・好中球・好酸球・血小板などになる細胞ががん化すること(骨髄を指しているわけではない)

白血病は患者さんの病気の状態と細胞の種類から、「急性骨髄性白血病」「急性リンパ性白血病」「慢性骨髄性白血病」「慢性リンパ性白血病」の4つに大別されます。

日本の成人の場合、急性と慢性では急性のほうが多く、急性の白血病では約70%が骨髄性となっています。ここでは日本の成人の白血病で最も多い「急性骨髄性白血病」について解説していきます。

■貧血や発熱、出血傾向からの発見が多い

急性骨髄性白血病の発症率は、1万人に1人程度の割合といわれています。40代から発症率が上がり始め、60代~70代が最も多くなっています。統計では男性のほうがやや多い傾向があります。

原因は明らかになっておらず、人での発症のリスク要因として認められているものもありません。放射線被ばくが白血病のリスクを高めると示唆されることがありますが、急性骨髄性白血病ではそのリスクは確認されていません。人から人への感染や体質の遺伝なども認められず、誰でもなり得る病気といえます。

急性骨髄性白血病では、がん化した異常な細胞(白血病細胞)が無秩序に増殖するため、正常な血液細胞が作られなくなることによる初期症状が現れるのが特徴です。例えば、正常な白血球の減少では感染による発熱、正常な赤血球の減少では貧血による動悸や息切れ、倦怠感、正常な血小板の減少ではあざや赤い点状の出血斑、鼻血、歯茎からの出血といった傾向が見られます。

そのため、のどの痛みを伴う発熱や、抜歯のあとに出血が止まらないといったケースで受診して、血液検査で異常な白血球の増加や血小板の減少、貧血などの所見が見つかり、診断に至るケースが多くなっています。

胃がんや大腸がんといった多くのがんでは、治癒するためには、早期での発見が重要です。一方、急性骨髄性白血病の場合は、診断された時点で全身の血液に白血病細胞がめぐっているため、「早期」という概念がありません。あえていえば、診断がついたときには、ほかのがんでいう「ステージIV」ということになり、直ちに治療を始める必要があります。

しかし、急性骨髄性白血病の多くは、後述する抗がん剤による治療効果が高いため、約80%は寛解(症状や検査で異常が確認できない状態)に入る可能性が期待できます。

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