「白血病」ってどんな病気 急性と慢性の違いは?「急性骨髄性白血病」について知ろう

日経Gooday

急性骨髄性白血病の検査と診断

急性骨髄性白血病の診断のために、血液検査と骨髄検査が行われます。写真はイメージ=(c)Jarun Ontakrai-123RF

急性骨髄性白血病の診断で行われる主な検査は、血液検査と骨髄検査です。

血液検査で血液細胞の異常が認められると、骨髄検査も行います。骨髄検査では、局所麻酔をしてから腸骨(腰の骨)などに針を刺して、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引します。採取した骨髄液の中に含まれる細胞を、顕微鏡で詳しく調べます。骨髄検査は診断のほか、治療開始後に治療効果を確認するためにも行われます。

急性骨髄性白血病がんの病期(ステージ)/分類

がんには進行の程度を判定する目安に「病期(ステージ)」がありますが、前述した通り、急性骨髄性白血病では、発症時には全身の血液に白血病細胞がめぐっているため、病期分類はありません。

治療方針を決定するうえでは「病型分類」があり、白血病化した細胞の系統・形態によって分類する「FAB分類」(1970年代に提唱)、さらに染色体異常や遺伝子変異などの病的因子を重視して分類する「WHO分類」(2000年代に提唱)の2つが国際的に用いられています。

近年ではWHO分類が主流になりつつありますが、詳しく記すのは難しいため、ここでは従来基本となってきたFAB分類によるM0からM7の8つの病型名をまとめておきます。

急性骨髄性白血病の治療

急性骨髄性白血病では、M3タイプの急性前骨髄球性白血病を除き、治療法が共通します。第一の治療法は抗がん剤を用いた化学療法で(小児と65歳以上を除く)、後述する「寛解導入療法」を行ったあと、「地固め療法」という2段階で治療を進めます。

遺伝子の異常のタイプなど予後が不良と考えられる要因がある場合は、寛解に入ったあとに地固め療法の一環として、造血幹細胞移植が行われる場合もあります。また、寛解から再発した場合にも、造血幹細胞移植が検討されます。

【寛解導入療法】

急性骨髄性白血病と診断された場合、10の12乗個程度の白血病細胞が存在しています。これを10の9乗程度まで減少させなければ、正常な血液細胞は増えてきません。10の9乗程度になると、骨髄検査をしても白血病細胞が見つからなくなる「寛解」に入り、造血機能が回復します。

寛解導入療法は、抗がん剤を用いた化学療法(シタラビンとアントラサイクリン系の薬剤の組み合わせが一般的)により、白血病細胞を寛解まで劇的に減少させる治療法です。通常、7日間程度かけて、抗がん剤を投与します。その後は2週間から4週間程度、治療によって減少した白血球や血小板が回復するのを待ってから、骨髄検査で寛解状態かどうかを確認します。

【地固め療法】

寛解導入療法で寛解に入っても、10の9乗個程度の白血病細胞は存在しているため、再発する可能性があります。そこで、白血病細胞を限りなくゼロに近づけ、治癒を目指す治療法が地固め療法です。

計算上は、1度の化学療法で10の3乗個程度の白血病細胞が減少するため、寛解(10の9乗個程度)からさらに白血病細胞を減らすためには、最低3回の化学療法を行います。1回の化学療法のあとは白血球や血小板が回復するまで間隔を空ける必要があるため、すべての治療を終えるまでには半年程度かかります。地固め療法が終了したあとは、毎月1度など定期的に外来を受診し、血液検査で経過を観察していきます。

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急性骨髄性白血病の病後の経過
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