2019/2/25

「時間外労働」と「休日労働」の誤解

そもそも「時間外労働」とは何を意味するのでしょう。私たちが「残業」というとき、会社で定められた「所定労働時間」を超えて働くことだと一般的には思われています。それは確かにそうなのですが、「時間外労働」と必ずしもイコールとは限りません。法律上の「時間外労働」とは、あくまでも「法定労働時間(1日8時間・1週40時間)」を超える労働のことをいいます。

たとえば所定労働時間が9時から17時(休憩時間1時間)の場合、1日7時間働けばよいのですが、仮に1時間「残業」しても法定労働時間を超えていないので、法律上の「時間外労働」とはなりません。厳密にいえば「所定外労働」となります。当然、所定労働時間よりも1時間多く働いているので、その分給与は発生しますが、割増賃金の算定基準を所定労働時間とするか法定労働時間とするかは会社によって異なります。

もっとわかりにくいのが「休日労働」です。週休2日制の企業は多いですが、会社で定める「所定休日」に働いた場合、あくまでも休みの日に働いたのだから「休日労働」だと多くの人は考えます。しかし、法律上の「休日労働」とは労働基準法で定められた法定休日に労働した時間のことを指します。

たとえば毎週土曜日・日曜日、祝日を所定休日とし、そのうち日曜日を法定休日と定めている会社であれば、土曜日や祝日に働いても法定の「休日労働」にはなりません。あくまでも日曜日に労働した時間が「休日労働」となります。この場合、月曜日から土曜日までに労働した時間が40時間を超えていたら「時間外労働」になります。ですから平日8時間働いていれば、会社が休みである土曜日に働いても「休日労働」ではなく、「時間外労働」になります(※会社の就業規則により解釈が異なる場合があります)。

「法定」と「所定」の違いがわかると今回の改正内容がより理解しやすくなります。36協定は会社単位ではなく事業場ごとに締結するので、その職場での働き方に大きく関わってきます。

■正しく理解したい労働時間と休日の定義

「法定労働時間」 労働基準法で定められた1日8時間・1週40時間以内の労働時間
※特例措置事業場では44時間以内
「所定労働時間」 会社が就業規則で定めた労働時間。法定労働時間より少ない場合もある

「法定休日」 労働基準法で定められた、毎週少なくとも1回(または4週間を通じ4日以上)は与えられる休日
「所定休日」 毎週土曜日・日曜日、祝日など、会社が就業規則で定めた休日

「時間外労働」 法定労働時間を超えた労働
「所定外労働」 就業規則で定めた所定労働時間を超えた労働
※法定労働時間を超えると、超過分は時間外労働となる

「休日労働」 法定休日の労働
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