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DC専用投信、保有長期化でリターンも拡大傾向 QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2019/2/27

海外債券で運用する「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は4.8年と長めだが、運用期間(21年)と比べるとさほど長期とはいえない。これに対し、DC専用でバランス型の「三菱UFJプライムバランス(安定成長型)(確定拠出年金)」の平均保有期間は6年と、運用期間(16.1年)と比較しても長期化の傾向が見て取れる。

■保有長期化でリターンも拡大

保有期間の長期化とリターンには何か関係があるのだろうか。個々の投信は不特定多数の人が、おのおの違う口数をランダムなタイミングで売買するが、同様にして日々の設定口数、解約口数などが分かれば保有者全員がこれまでに買い付けた「平均購入単価」を推計することが可能だ(ただし、過去に解約した人の分は含まれない)。

平均購入単価を基準価格が上回っていれば、保有者全体の損益は含み益の状態、逆に下回っていれば含み損(元本割れ)の状況を示す。DC専用の日本株ファンドについて、平均保有期間と平均損益率の関係を示したのがグラフCだ。

DC専用では保有期間が長くなるほど、平均損益率がプラスに拡大していく傾向が分かる。積み立て投資を長期に継続するとリターンが膨らみやすいという効用の一端が表れている。

投信は原則いつでも売買可能という換金性に優れているのが大きな特徴だ。売買時期の判断には投資家それぞれの事情が絡み、1本の投信を長期保有するのが最善とは限らない。長期の積み立て投資で膨らんだ含み益が市場の急変で含み損に転じるリスクもある。

それでも、資産運用ビジネスが今後、持続的に成長していくには、高齢層に偏った投資家層を若い世代にも広げていくほかない。DCや積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)を中心に、個人の間で積み立て投資が定着することで、投信保有期間の長期化とリターンの拡大という好循環が生まれていくものと期待される。

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