マネー研究所

投信調査隊

DC専用投信、保有長期化でリターンも拡大傾向 QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2019/2/27

いずれにせよ、現行方式は一般的な投資家の売買状況を正確に映しているとはいいがたい面がある。米投資信託協会(ICI)は01年、少数の投資家の頻繁な売買が解約額を押し上げて平均保有期間が短くなる場合があるなどとして、ファンドの保有期間としての指標性に疑問を示していた。現行方式は解約までの保有期間の起点に当たる購入時期を考慮していないというそもそもの問題も残る。

■投信の口数に基づき新たに計算

こうした点を踏まえ、QUICK資産運用研究所は個々の投信の口数の変化に着目して平均保有期間を算出する手法を開発した。これは各投信について運用開始以降、日々の設定(購入)口数と解約口数を求め、それぞれが発生した時点により、平均保有期間を算出する手法だ。

具体的には各投信の日々の設定額、解約額を前日の基準価格で割って設定口数、解約口数を計算する。こうしたデータを時系列で追いながら、設定から解約までの口数の変化により平均保有期間を算出する。

しかしながら、この手法をもってしても個々の投資家の購入日と解約日を直接ひも付けるデータはない。そこで、投資家によらず一律に購入時期が古い方から先に解約されたとする「先入れ先出し」を採用した。依然として推計の域を出ないが、現行方式に比べ平均保有期間の実態により近い状況を示すと考えられる。

その結果を、現行方式の平均保有期間に重ねる形でグラフAに示した。18年末時点では2.2年と、この10年はおよそ2年程度の横ばいで推移していることが分かる。投信市場全体では長期保有化への歩みは遅いとの印象を受けるかもしれない。

ところが、DC専用ファンドに目を移すと、別の景色が見えてくる。企業型や個人型など、DC制度のみで購入できるファンドの平均保有期間は現在4.2年。年を追うごとに延びてきている。

DC制度では原則60歳までは換金できないので、解約といっても加入者のDC脱退か別の投信や安全資産へのスイッチング(乗り換え)時に限定される。積み立て投資を毎月継続するという制度の仕組み上、解約が少ないのを反映している。

次に、個別ファンドの平均保有期間の状況を見てみよう。主な投資対象別に資産規模の大きいファンドを一般購入可能とDC専用に分け、2本ずつピックアップした(表B)。

主に日本株で運用する「ひふみプラス」の平均保有期間は1年。個人マネーを集め、日本株ファンドで最大規模に成長したが、1年程度で解約する人が少なくないようだ。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL