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DC専用投信、保有長期化でリターンも拡大傾向 QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2019/2/27

企業型や個人型の確定拠出年金(DC)専用ファンドでは平均保有期間が延びてきている

投資信託を購入し解約した人が、平均でどのくらいの期間保有し続けたかを示すのが「平均保有期間」だ。投信が短期間での回転売買ではなく、中長期の資産形成を目指すツールとして活用されているかどうかを測るバロメーターの一つになる。

QUICK資産運用研究所が開発した手法で推計すると、投信市場全体での保有期間は平均2年程度で横ばいが続く。長期化へは道半ばだが、積み立て投資を主体とする確定拠出年金(DC)専用ファンドでは平均保有期間が4年超と年々長くなっている。こうした動きが全体に波及するかどうかが焦点になりそうだ。

■現行方式は数値がぶれやすい

投信の保有期間は通常、「投信を解約した人の購入から解約までの期間」を指す。投信市場全体や個々の投信について、解約した人それぞれが保有していた期間の平均値が平均保有期間になる。

現在一般的に使われている平均保有期間は、上場株式の「売買回転率」の考え方を基にしている。売買回転率は株式の一定期間の売買代金が時価総額の何倍になったかで売買の活況度合いを示す。例えば1年間で測った回転率が1.5倍だとしたら、株主が全て入れ替わるのに8カ月かかった計算で、これが平均保有期間に相当する。

投信の平均保有期間は売買代金の代わりに解約額、時価総額の代わりに純資産残高を充てて計算している。具体的には投信の過去1年間の純資産残高の平均を分子にして、それを解約額の合計で割って求める。

現行の方式で上場投信(ETF)を除く追加型株式投信全体の平均保有期間を求めると、2018年末時点では3.4年弱。投信を解約した人は平均で3.4年保有していたことになる。

ところが、平均保有期間の過去からの推移を見ると、現行計算式では変動が激しいことが分かる(グラフA)。分子の純資産残高が資金の流出入だけでなく、運用成績で増減するため、計測時期によって数値がぶれやすい。個々のファンドについても同様だ。現行方式では平均保有期間の方が実際の運用期間より長いファンドが多数あり、100年以上のファンドが30本を超すなど異常値が続出する。

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