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インバウンド最前線

外国人スキー客に人気のGETOって? ニセコから分散 パウダースノー求めて南へ

2019/3/1 日経MJ

パウダースノーの感触を確かめながらスキーを楽しむオーストラリア人(岩手県北上市の夏油高原スキー場)

冬のゴールデンルートが生まれつつある。インバウンド(訪日外国人)の上級スキーヤーが今、北海道のニセコから岩手県の夏油(げとう)高原、福島県の裏磐梯など穴場を求めて転戦している。中心は1人当たり消費額でトップに躍り出たオーストラリア人だ。アフタースキーはお酒や温泉。豪州人だけで5万人程度いるとされるパウダースノーハンターを追った。

2月の平日、東北新幹線・北上駅からバスで50分の夏油高原スキー場(岩手県北上市)。上級者向けコースのてっぺんに、ロバート・ジャガーさん(49)はいた。誰も足を踏み入れていないパウダースノーを前に一言。「ワオ! 最高のツリーランができそうだ」。早速ゴーグルをかけ、ブナ林の中へ滑り出した。

ジャガーさんは豪州出身。スキー目当ての訪日リピーターで、今回は友人4人と2週間の旅程だ。ニセコから各地のパウダースノーのスキー場を転戦しているという。

■「ニセコは豪州みたい、特別感ない」

豪州人といえばニセコでは? なぜ夏油高原?

「ニセコって街全体が豪州みたいで特別感がないんだ。ここなら開拓者気分を味わえるし」。パウダースノーハンターにとって夏油高原は穴場的な雰囲気が魅力なのだ。

旅行の予算は?

会社員のブルース・ハルケットさん(56)は「はっきり決めてないけど、一日1万5千円くらいかな」。内訳は宿代(6千円)やリフト券(4800円)、食事代(1回約1千円)くらいで意外と質素。「ほかには?」と聞くと「ビール!」。

日本人の間でも知名度がそう高くない夏油高原。別の豪州人に声を掛けると「Getoだろ、豪州でスキー好きなら、みんな知ってるさ」。

運営会社の北日本リゾートは、経営難に陥っていたこのスキー場を2013年に継承した。菅原三多英社長は「パウダースノーに遭遇できる確率が非常に高いのは強み。豪州のスキー上級者に絞ってマーケティングを展開した」と語る。

17年にはシドニーのスキー関連の展示会「SNOW EXPO」に出展。会場で映像編集ができる2人の若者をつかまえて、夏油高原に招待した。数週間かけてプロモーション動画を作ってもらって発信したところ、知名度は一気に上がった。

上級者をくすぐる工夫も。現地の旅行代理店などで配るパンフレットにはこう書いている。「夏油はまだ無名。なぜなら、ここに来たみんなが秘密にしておくからだ」

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