スポーツ向け新補給食 コメ由来の素材で食感ずっしり
注目の新製品をピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、米由来の新しいカロリー補給食品「ライスピュレ」だ。
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●実勢価格/1袋220円(税別)
●カロリー/110kcal
●原材料/デキストリン、砂糖、パラチノース、米、蜂蜜、還元水あめ、寒天、濃縮リンゴ果汁、酸味料、香料、着色料(紅花黄)、酸化防止剤
●発売日/2019年2月3日
青汁を中心とした健康食品の製造を行うミナト製薬が、新ジャンルのカロリー補給食品「ライスピュレ」を発売した。
原料に採用されたのは、米と水だけで作られた新食品素材の「ライスジュレ」だ。農業機械を販売するヤンマーのグループ会社・ヤンマーアグリイノベーションが、「米の付加価値向上と農家の安定的な収益の確保」(同社)を掲げ、17年12月に商品化。料理のつなぎやグルテンフリーのお好み焼きに使えたり、優れた保水性によってパンをしっとりさせられたりと、活用法はさまざま。増粘剤代わりにも利用できる。
「米由来」と「食感」で訴求
ミナト製薬はカロリー補給食品の開発に当たって、日本人の食生活になじみ深い「米」に着目。「噛む」ことで分泌される唾液の消化作用も活用すべく、ただ飲み込むものではなく、しっかりと噛み応えがある食品を目指した。ライスジュレによって「米由来」と「食感」の両方を達成できたという。
実際に食べてみると、リンゴと蜂蜜の優しい甘さが感じられ、ういろうに近い食感。口にまとわりつくような粘り気もあった。弾力は強く、スプーンで押してみても沈み込まないほどだ。
まずはマラソンなどでの利用を見込んでスポーツ用品店などで販売するが、「手軽に栄養が取れるため、離乳食や介護食などへの活用も考えている」(ミナト製薬)といい、今後の展開にも期待だ。
大手メーカーや有名ブランドがひしめくカロリー補給食市場では、まず認知度向上が課題に。ただ日本人の主食である米を前面に打ち出したことは、ニーズの高い層にエネルギー源としてのイメージを届けやすくするだろう。
[日経トレンディ2019年3月号の記事を再構成]
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