
その地域で作られた野菜や果物、加工品など特産品が売られている「道の駅」。周辺にはその土地ならではの観光スポットもあり、魅力的な場所ではありますが、一般的には旅の途中で寄るという位置づけなので長時間滞在する人は多くありません。もっと長時間滞在してもらえば、地方創生にもつながると考えた住宅メーカーの積水ハウスがマリオット・インターナショナルと手を組んで、道の駅にホテルを建設することにしました。
ターゲットは日本の自然を満喫したいアクティブシニアや外国人旅行者です。京都府や三重県など、まずは5府県15カ所で2020年秋からオープンする予定です。
ホテル開業予定地の一つ、栃木県茂木町(もてぎまち)。人口およそ1万2000人という小さな町ながら、「道の駅もてぎ」は年間来場者数は180万人もいます。売り上げは10億円という全国でもトップクラスの道の駅です。
ホテルが開業するのは、そんな道の駅のすぐ隣。積水ハウスの眞下さんは「道の駅そのものにも可能性がある。こちらの道の駅をハブとして周辺観光を楽しんでもらえると思う」と集客に自信を見せます。
ホテルは1室1万~1万5000円で、基本は食事の提供をしない素泊まり。食事は道の駅や町の飲食店を使ってもらおうというスタイルです。
「道の駅もてぎ」で一番人気の食事は「全国道の駅グルメナンバーワン決定戦」で3連覇している「もてぎのゆず塩ら~めん」。その他の知られざる地元の特産品の情報も客に提供します。
さらにホテルにはキッチンやバーベキュースペースを設置する予定で、道の駅で買った地元野菜を自分で調理できるようにしたいといいます。
実は、茂木町はホテル不足に悩んでいました。近くには「ツインリンクもてぎ」があり、ビッグレースのときは国内外からたくさんの客が訪れ、ホテルが足りない状況になっていました。
こうした地方での宿泊施設の不足を、一定の集客が見込める道の駅を活用し、解決するのが積水ハウスの狙いです。町では、宿泊客が増えることで、道の駅以外にも経済効果が広がると期待します。
この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2018年11月28日放送)の内容を配信用に再構成したものです。(C)テレビ東京
[PlusParavi(プラスパラビ) 2019年2月5日付記事を再構成]