仕事のジャケパンを楽しむ 初歩のセパレートコーデ術
出勤前、ワードローブの前で「きょうは何を着ようか」と思案に暮れる人は少なくない。そんなビジネスマンに、押さえるツボを伝授する「プロが教えるBizコーデ」。今回は「セパレートコーデ」がテーマだ。仕事でスーツ以外の着こなしが許される場合、ジャケットとパンツの組み合わせならぐんと装いの幅も広がり、自分なりのおしゃれが楽しめる。その極意をスタイリスト、小林新さんに聞いた。
業種によってはセットアップ(スーツ)が『制服』の会社も少なくないとはいえ、昨今は服装のカジュアル化が進む。ビジネス街でもジャケットにパンツ(ジャケパン)スタイルのビジネスマンを見かける機会が増えた。ジャケパンはスーツより「崩した感」があるが、「オシャレ感とフォーマル感をキープしていれば、十分オンにふさわしい装い」と小林さんは指摘する。
セパレートのコーディネーションでは (1)コントラスト (2)アクセント (3)素材感――の3つのポイントに注意したい。
まず提案くれたのは、グレーのジャケットにネイビーのパンツを合わせたコーデ=写真1。上着はスーツの上で、単体のパンツはオフでもはける。コーデのポイントはずばりコントラストだ。もし上下、グレーの濃淡という同系色の組み合わせだと、「全体にぼやけた印象になるので注意したい」(小林さん)。
次のコーデでは、ブルーのジャケットにグレーのパンツを合わせた=写真2。上着とパンツは素材感が異なることでマッチする。パンツはタック付きなので、スーツにはないシルエットを演出するも可能だ。ネクタイを外し、デニムをはけば「きれいめなカジュアルとしても使える」。
3つめは、茶系のスーツの上着にライトグレーのパンツを合わせた=写真3。ブルーのシャツはタテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸を使って平織りした「シャンブレー」素材で、黄色のニットネクタイをアクセントにした。このコーデではまずネクタイに目が行き、ワントーンでつまらないコーデという印象を与えることなく、オシャレ感を演出できる。
最後のコーデは、黒のジャケットにグレーのパンツ、Vゾーンはタータンチェックのネクタイで演出した=写真4。ジャケットは織りがある生地でパンツとは違う素材のものをセレクトした。「それでも黒の上着はモードっぽくなり、ビジネスシーンではあまり使わない側面もあるため、ネクタイでアクセントをつけた」。
オンとオフの境目とも言えるセパレートコーデは、小林さんに言わせると「ワンランク上のコーデ」でもある。今持っている服をオン・オフで着回しできれば、経済的でもある。セパレートコーデは「本当のおしゃれの達人への第一歩」といえるかもしれない。
大学卒業後、2006年に独立。雑誌や音楽、広告分野などを中心に活動。服にとどまらず、その周辺にある美術などもスタイリングの一環と考え、独自の視点を持つスタイリストとして定評がある。
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