文具女子注目の機能ペン 書き疲れなし・スリムな3色
今旬ときめきステーショナリー
働く女性におすすめの最新のステーショナリーや、旬の文具トレンドを詳しく深堀りで紹介する「今旬ときめきステーショナリー」。 最近、長時間筆記できるものや3色ペンなのにスリムなもの、筆圧でドットの大きさが変えられるものなど、今までのペンにはなかった機能を搭載したペンが続々と登場しています。中でもおすすめのペンを詳しく解説します。
筆記ストレスに着目した「ブレない」新視点のボールペン
近年ビジネスシーンで女性がボールペンを使う機会が増えています。ゼブラによるウェブ調査では、働く女性がボールペンを購入する際に「ストレスなく書ける」ことを最も重視しているという結果が出たといいます。ゼブラがこの点に注目して製品化したのが「ブレン」です。
「ブレン」は「ストレスなく書ける」という点を、さらに細分化し6つの要素に着目しました。最も重要視したのが「筆記振動の制御」です。ペンで文字を書く際、紙とペン先が接触すると、その力がペン内部に伝わり微妙な「振動(ブレ)」が発生します。この振動がペンを持つ指や手に伝わることで、気づかないうちにストレスを与えていました。ゼブラはこの振動に注目し、振動を制御する「ブレンシステム」を開発。ストレスフリーな書き心地を実現しました。軸色は、黒・グレー・白の3色(黒・グレーは黒インクのみ、白は黒・赤・青インクを用意)。値段は各1本150円(税抜き)です。
インクは「エマルジョンインク」が使われています。「エマルジョンインク」とは、ゼブラが開発した油性インクと水性インクが混ざったインクで、油性インクのしっかりとした書き味と、水性インクのサラサラとしたなめらかな書き心地が特徴です。0.5mmは細かい文字もきれいに書きやすく、0.7mmは太くしっかりとした線が書けます。
「ブレン」の内部構造やブレない仕組みはどうなっているのでしょう。「ブレンシステム」は大きく3つのパーツに分かれています。
(a) ペンの先端にはノックして書くときに中芯の先端をホールドする部品を搭載し、ペン先のブレを防いでいます。
(b) 金属製の重りがグリップ内部に入っているので、重心が下がります。低重心設計でブレを防ぎます。
(c) ペン内部の各パーツの隙間をなくし、ペン内部のブレを防ぐ「ノイズフリー設計」になっています。
この3つの構造が搭載されていることで、ブレずにストレスなく文字を書くことができます。
ブレンは低重心設計なので、ペン先を握って書くと長時間筆記でも手が疲れにくいのが最大の特徴です。会議の議事録や、企画のアイデアメモ、プライベートでの家計簿管理など様々なシーンで活用できます。さらにエマルジョンインクが、なめらかな書き心地を後押ししてくれます。
「ブレン」はデザインにもこだわり、デザインオフィスnendo代表の佐藤オオキさんがデザインを担当。ストレスフリーな書き心地を、ボディーデザインで表現しました。クリップ一体型ノックをはじめ、外観はしっかりと握りやすく、長時間使用しても疲れにくい形状になっています。シンプルで男女問わず使いやすい洗練されたデザインになっています。
新開発の機構を搭載 スリムな消せる3色ボールペン
消せるボールペンというと2007年に国内発売されたパイロットの「フリクションボールノック」が知られていますが、三菱鉛筆の「ユニボール R:E」も、ぜひ注目したいボールペンです。本体や芯のカラーバリエーションなども「ユニボール R:E」シリーズは豊富になってきましたが、スリムな軸にインクがたっぷり入った消せる3色ボールペン「ユニボール R:E 3」が新登場しました。
「ユニボール R:E 3」の最大の特徴は、12.7mmの細い軸径です。多色ボールペンは1本で複数の色が使えるため便利なのですがその半面、軸が太くかさばってしまうのがネックとなっていました。三菱鉛筆は消せるボールペンの多色タイプを発売するに当たり、消せるボールペンについてのアンケートを行いました。その結果「軸の太さ」と「インクの減り」という2つの問題に着目。今回新たに開発した「回転セレクトノック機構」と、金属製のリフィルを搭載することで、軸の太さを抑え、同サイズの樹脂リフィルと比べて2倍のインク量とすることに成功しました。軸色は限定版を含む全7色。値段は各500円(税抜き)です。
インクはブラック・ブルー・レッドの3色。「熱消去性インク」が使われており、60℃以上の熱を加えると無色になる性質があります。ノック部の専用消し具で書いた線をこすると生じる摩擦熱により、化学変化が起こりインクが無色に変化。書き間違えた文字を消したり、何度でも書き直したりすることができます。
「ユニボール R:E 3」では軸を細くするために、新開発の「回転セレクトノック機構」が採用されています。ノック棒がない多色ノック式ボールペンという画期的なボールペンです。「回転セレクトノック機構」は、軸を回転させて使いたい色を選択し、ノックして芯を繰り出す新しい機構になっています。
使い方は簡単で、軸には、赤・黒・青の3色がプリントされており、軸を左右にクルクル回転させて矢印マークを合わせます。
矢印マークを合わせてノックすると、その色の芯が出てくるという仕組みです。色を変えたいときはノックして芯を戻し、軸を回転させて再度色とマークを合わせます。この仕組みに慣れると、色を選んでおいてノックするだけなので色を手軽に変えられます。
機構だけではなく、もう1点注目したいポイントは「リフィル(替え芯)」です。一般的にリフィルが複数入る多色ボールペンは、リフィルの幅をとるため単色ボールペンよりも軸が太くなります。そこで軸をスリムにするために、金属製のリフィルが使われています。金属製のリフィルは、樹脂リフィルよりも薄く加工できるため。同じ大きさでインクを2倍入れることができます。インクが長持ちするので、コスパも良いのがうれしいポイントです。
「ぷにっ」とドットが書ける新感覚マーカー
2018年12月に開催された、日本最大級の文具の祭典「文具女子博」。期間中に先行販売が行われてから、SNS(交流サイト)などで反響が多かったのが、呉竹の「ZIG クリーンカラードット」。筆圧に合わせて好きな大きさのドットが書けるという新感覚のペン・マーカーです。
呉竹は文字を書くだけでなくイラストやアートにも使えるマーカーや、マンガを書くのに便利なミリペンなど多岐にわたった商品を展開しています。今回紹介するのは最新作の「ZIG クリーンカラードット」。カラーは全12色で、値段は1本200円(税抜き)です。2月中に一部店舗で先行発売されます(※一般発売の際はデザインや仕様が変更される可能性があります)。
「ZIG クリーンカラードット」は「ぷにっ」とした弾力が楽しいドット芯と、0.5mmの細書きのツインタイプマーカーです。ポンと押すだけで、丸いドット柄が完成。押すときに筆圧を変えることで、ドットの大きさを変えることができます。
ドット芯は最大径約5mmから最小径約1mmのドットを描くことができます。強く力を入れて押せば大きいドット。軽い力で押せば小さいドットになります。インクは水性顔料が使われているので、他の色と重ねて描いても色がにじみにくいのが特徴です。
ドットを生かして、カレンダーやTODOのチェックとしても使えます。ドットだけでなく、イラストやレタリングなど簡単に使えるのでアレンジすれば、様々なシーンに活用できます。
普段使いだからこそペンにこだわろう
文具の中でこだわりが多いペンですが、最近では見た目やカラーだけでなく「性能」や「機能」などに着目したペンが登場しています。デジタル化が進む一方で、やるべきことを整理するバレットジャーナルといった手帳術や、勉強ノートなどアナログに「書く」ことへの興味関心もさらに高まっています。普段使いのペンだからこそ、使い勝手のよい自分好みのお気に入りを探してみてはいかがでしょうか?
(文/写真 やまぐちまきこ)
年間300万PVを超える人気ブログ「フムフムハック」の編集長。文房具を中心に「読んでフムフム・ワクワクする」コンテンツを発信。雑誌やWEBで文具ライターとしても活躍中。フムフムハック https://www.fumufumu89.com/
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