統計不正、追加給付はいくら? 育休・再雇用に影響大

現在給付を受けている人は3月以降に追加給付が始まる(厚労省が公表したヒアリング状況の資料)
現在給付を受けている人は3月以降に追加給付が始まる(厚労省が公表したヒアリング状況の資料)

厚生労働省が毎月勤労統計を不正な手法で調査していた結果として、雇用保険や労災保険の給付額が、本来の水準よりも少なくなったケースが多くある。統計が修正されるのに伴い今後、対象者には不足分が追加で給付され、影響は広範囲に及ぶ。どんな給付制度で、どのくらいの金額が、いつごろ支払われるのか。

「私も追加給付の対象になっているとは……」。東京都に住む会社員、和泉ちひろさん(35)は話す。2人の子を出産した和泉さんはその都度、育児休業を取得。2014年2月からの11カ月間と、17年2月からの1年半、雇用保険から「育児休業給付」を受けた。

2回とも毎月勤労統計で不正調査があった期間(04年~17年)にかかる。この期間については平均賃金(平均定期給与額)のデータを厚労省が上方修正すると発表。各種制度の受給者を対象に、正しい給付額を再計算することになる。

和泉さんの場合、育児休業で過去にもらった金額との差額分が給付される見通し。その目安を知人の社会保険労務士(社労士)に尋ねると「計3万円以上になるだろうと言われた」。

統計の不正調査を巡っては失業者を対象とする「基本手当」(失業給付)に注目が集まるが、影響は広範囲に及ぶ(図A)。

基本手当以上に「在職者を対象とするいくつかの給付制度のほうが1人あたりの追加給付額が大きくなる」と大和総研研究員で社労士の是枝俊悟氏はみる。

代表例が育児休業給付。受給者は17年度で34万人と年々急増する。もう一つが「高年齢雇用継続給付」。60歳以降、再雇用などにより働き続ける人を対象に、賃金の減額分を一部補うために給付する制度だ。

主に低・高賃金者

どんなケースで追加給付は発生するのか。まず注意したいのは「不正調査期間に給付を受けていたからといって、追加給付の対象になるとは限らない」(社労士の井田健氏)点だ。

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