マネー研究所

Money&Investment

自転車通学、保険は入ってる? 自治体の義務化広がる

2019/2/19

PIXTA=写真はイメージ

今春から子供が自転車通学を始めます。居住する自治体で自転車保険への加入が義務化されました。加入しないと罰則などはあるのでしょうか。

◇  ◇  ◇

全国の自治体で自転車保険の加入を義務付ける動きが広がっている。2018年4月には埼玉県や京都府などが義務化。19年4月には仙台市、20年4月には東京都足立区などが義務化を予定している。

自転車保険への加入を促す条例は、04年に東京都三鷹市で初めて制定された。自転車と歩行者の事故が増加したことがきっかけだ。しかし国土交通省によると、自転車事故の損害賠償に備える補償を持つ人の割合は、条例がない自治体では40%程度にすぎない。

自転車事故の損害賠償額は高額化している。08年、被害者に重大な障害を与えた事故で、東京地方裁判所は当時高校生だった加害者側に9266万円の賠償を命じた。13年、神戸地裁では当時小学生だった加害児童側に9521万円の損害賠償を命じた。

国も後押しする。18年6月に閣議決定した「自転車活用推進計画」では地方公共団体に対し、自転車による死傷事故の損害賠償に備える保険への加入促進を要請することを明記した。

17年に事故を起こした自転車運転者は38%が20歳未満だ。自転車保険に加入しないことに対する罰則を設けた自治体は今のところないが、高額賠償リスクに備えるには、保険加入を検討すべきだろう。

損害保険ジャパン日本興亜は18年10月、通話アプリ「LINE」利用者向けの自転車総合保険を発売した。損害賠償責任は1億円からで、保険料は月100円から加入できる。楽天損害保険もスマートフォン(スマホ)から加入できる保険を発売。保険料は月々135円からで、示談交渉などのサービスも付帯する。

東京海上日動火災保険は損害賠償額を無制限とする保険を扱う。ローソン、ミニストップの店頭端末で加入できる。自転車販売店でも保険に加入できる。有料の点検整備を受けることで、三井住友海上火災保険が提供する「TSマーク付帯保険」に加入できる。

義務化が広がる自転車保険だが、補償の重複には注意したい。自転車保険は個人賠償責任保険の補償範囲に含まれる。自動車保険や火災保険などの特約で、個人賠償や自転車事故補償を付帯しているケースも多い。学校やPTAなどで加入しているケースもある。

万一事故が起きた場合、二重で保険に入っていても受け取れるのは損害賠償額の実費。受け取れる補償額が倍増することはない。まずは自転車事故の備えができているか、加入している保険を確認しよう。

[日本経済新聞朝刊2019年2月16日付]

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL