春は、スマートフォン(スマホ)の新規契約や乗り換えを行う人が増える季節だ。2019年10月に控えた消費税増税を前に、大手キャリアよりも月額料金が安い「MVNO(仮想移動体通信事業者)」への乗り換えを検討している人もいるだろう。MVNOの数は総務省の発表では962事業者(18年12月発表の統計資料より)に上るが、調査会社のMMD研究所が18年10月に公開したデータによると、同年1~9月におけるMVNOおよびサブブランドの新規契約数のうち、全体のほぼ95%を8社が占めている。この8社はどのような特徴を備えているのか、新規契約数が多かった順にチェックしてみよう。

ワイモバイル/数多くの実店舗を持つ
新規契約数が最も多かったワイモバイルは、大手キャリアのソフトバンクが「サブブランド」として展開するキャリアだ。サブブランドとは、大手キャリアがメインのブランド(この場合はソフトバンク)とは別に展開する、主に割安な料金でプランを提供する通信サービスのことを指す。MVNOのように独立した事業者ではないが、通信品質の良さがメリットのひとつだ。
ワイモバイル最大の特徴は、全国に広く整備された店舗網だ。MVNOでは実店舗を持たない事業者もあるが、ワイモバイルは独立した店舗だけでなく、ソフトバンクと看板を並べた合同店も多く展開している。店舗が多ければトラブル時の駆け込み寺としてショップを頼りやすく、スマホの初心者にも向いている。
スマホ向けの料金プランは、通話料が毎回最初の10分間無料になる1タイプのみ。通信容量も毎月2ギガバイト、6ギガバイト、14ギガバイトの3種類とシンプル。利用できるネットワークは、メインブランドと同じソフトバンク回線だ。
楽天モバイル/ポイント連携が強力
楽天モバイルは、ネット通販大手の楽天が手がける格安SIMサービスだ。楽天ブランドの知名度を武器に、サブブランドに匹敵する新規ユーザーを獲得している。
最大の特徴は、同社の「楽天スーパーポイント」との連携だ。通常、同ポイントは100円ごとに1ポイントが付与されるが、楽天モバイルの音声通話SIMを契約すると、付与されるポイントが増える。楽天モバイルの利用料金でポイントをためたり、ポイントで利用料金を支払ったりすることも可能となっており、楽天で買い物をする機会の多い人ほどお得だ。
料金プランは、サブブランドのように通話料割引がセットになったプラン「スーパーホーダイ」と、一般的な格安SIMのように自分でオプションを組み合わせていく「組み合わせプラン」の2種類を用意。ネットワークはドコモ回線とau回線から選べる(※スーパーホーダイはドコモ回線のみ)。
UQ mobile/音声通話が多いなら
UQ mobileは、「WiMAX」を展開するUQコミュニケーションズがMVNOとなって、auのネットワークを借りて提供しているサービスだ。auと同じKDDIグループであることから、UQ mobileは「auのサブブランド」として扱われることも多い。