40代も目からうろこ 仕事効率高める新世代老眼鏡 納富廉邦のステーショナリー進化形

開発にあたり、一軒の家を用意。その中で実生活に近い動きをシミュレーションしたモニターテストを繰り返したという。このテストの中で発見されたのが、現代人は仕事でも私生活でも多くの時間、40センチから70センチの間にあるものを見ている、という事実だった。

例えば仕事中にパソコンの画面を見ながら手元の書類に視線を動かすといった動作は当たり前のように行われる。40センチから70センチの範囲に調整されたレンズなら、こういった動作も自然に行うことができるというわけだ。実際、発売前に行ったフランスのモニター調査では95%の満足度を得たという。

バリラックスXのレンズを入れたメガネを掛けた筆者。外観では一般的なメガネとの違いは分からない

細いフレームでも大丈夫

「累進レンズの場合、レンズの中にどのように度数のグラデーションを入れ込むかがポイント。バリラックスXの場合、40cmから70cmのところに重点を置いたというのが一つの発見なんです」というのは、伏見眼鏡店(東京・目黒)の伏見浩一社長。今回、この店でバリラックスXを使ったメガネを作成した。

今回、バリラックスXを使用したメガネ作りに協力してもらった伏見眼鏡店の伏見浩一社長。伏見眼鏡店は大正14年創業。吉田茂氏もこの店でメガネを作ったという

伏見眼鏡店にはバリラックスX専用のディスプレーが置かれている。40cmから70cmの範囲で実際にどのような作業が行われているかを体感できるセットだ。ここに座ってパソコンの画面を見たり手元の辞書を引いたりといった作業をしていると、日々の行動がこの範囲で行われていることを実感する。レンズを作る場合も、これを利用して見え方を確認していく。

バリラックスX用に作られた、40cmから70cmの視界をチェックできるディスプレイ。ここに座って、合わせたメガネの見え方の最終チェックをする

メガネのデザイナーやレンズメーカーを取材する度に「メガネ作りで一番大切なのは信頼できる眼鏡店や眼科でしっかりと度を合わせること」と言われる。伏見社長によると「メガネの度数の計測方法はもう何十年も前に完成している」そうだ。最新の機械でもやっていることは同じ。「なるべく正確に測定した上で、それぞれの人の目に合う微調整をする。その微調整には経験と知識が関わってきます」

ちなみにメガネを作る度に聞かれる「AとB、どちらがよく見えますか」という質問。何度も繰り返し聞かれる度にだんだんわからなくなって困ってしまうのだが、伏見社長によると「それはそれで問題ない」とのこと。そこはデータと経験で調整できるという。

伏見眼鏡店で最も驚いたのが「フレームの形に制限がない」ということだった。遠近両用はフレームの高さが必要だと思い込んでいたのだが、現在ではかなり細いフレームでも問題ないという。フレームを選んだら、利き目がどちらかをチェックし、さらにフレームの形状に合わせたレンズ作りのためのデータを取る機械「Visioffice2(ビジオフィス2)」で計測する。この機械は、日本ではまだ30店舗くらいしか用意されていないそうだが、この計測を行うことで、フレームにレンズを入れた時に、より自然に見えるようにレンズ設計が行えるデータが取れるのだそうだ。

フレームの形状と目の位置を計測する機械を使って、フレームの形状も立体的なデータとしてレンズの設計に組み込まれる。写真下のようにフレームにセンサーを付けてデータを取る

仕事中もずっとかけていられる

バリラックスXを入れたメガネを実際にかけて生活をしてみて驚いたのは、視界に違和感がないことだ。

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