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流行を追わない銀座のネクタイ 3代続く顧客に磨かれ

田屋社長 梶原伸悟氏(下)

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NIKKEI STYLE

現在の銀座4丁目に拠点を設けてから114年を経た「田屋」は首都・東京を代表する老舗のひとつ。しかし、夏の軽装を奨励する「クールビズ」の影響などもあり、主力のネクタイを取り巻く環境は厳しさを増す。生き残りをはかる老舗の企業戦略を5代目、梶原伸悟社長に聞いた。

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――ビジネス社会の変遷とともに、ネクタイにも変化がありますか。

「当社のネクタイの長さはここ30年間、ずっと148センチメートルです。半面、スーツではパンツの股上部分が短くなってきている印象を受けます。30年前はへその位置ほどだったのが、現在は腰ではくようになってきています」

――ネクタイを身につける際、何に気をつければいいでしょうか。

「ネクタイは重要なビジネスツールだと考えています。入社して3年は無難な柄や色がベストでしょう。定番の小紋、無地、ストライプ。色は紺系ですね。30歳代ともなれば、自分の趣味をネクタイに盛り込むのもひとつの方法でしょう。音符や自動車などの絵柄で、取引先との会話が弾むこともあります」

「執行役員や取締役ともなれば、見た目の大きな柄をお薦めします。意外に聞こえるかもしれませんが、60歳を過ぎると、赤や紫など、派手な色彩を使ったものが映えます」

――ネクタイはどのように保管すればいいのでしょう。

「つるしておけば問題ありません。 私自身、つるしていますし、顧客にもそう勧めています。『丸めて保管するのがいい』という意見もありますが、これは恐らくプリント柄のネクタイですと、つるしておくと生地が伸びてしまうからでしょう。当社では織物の生地なので、つっておいた方が、締めていた時にできた余計なシワがきれいに取れます」

――ネクタイは「クリーニングに出してはいけない」ともいわれます。

「これは正しいですね。ネクタイで最も大切なことは風合いの良さです。クリーニングに出すとどうしても変わってきます。お気に入りの柄であれば、少々の汚れには目をつむって使う方がいいですね。汚れが目立ってきたら残念ながら取り換えるべきです。ネクタイは基本的には消耗品ですから」

――なぜ田屋に携わるようになったのですか。

「実は私は沖縄県浦添市の出身です。高校時代は水球の選手で、推薦で日本体育大学に進学しました。大学の水球部でレギュラーを務めていた4年間は、毎日が合宿所と大学の往復という典型的な体育会系学生でした。服装も基本的にはスエットで、月に1回あるかないかの練習休みの日にジーンズをはくくらいでした」

「大学卒業後は東京の機械商社に入社しました。やはり東京に憧れがありました。4年間、空調や水道関係のポンプの営業を経験しました。妻で専務の都美江とは学生時代知り合い、26歳で梶原の婿養子となりました。実家は4人兄弟の3番目なので両親も反対しませんでしたが、『銀座で大丈夫なのか』とは心配はされましたね」

――機械商社とアパレルとでは色合いがずいぶん異なりますね。

「品質と価格帯に対する考え方は全く違いますね。機械商社のビジネスはライバル社との価格競争が基本です。より安く、より高機能に製品をレベルアップさせていくことが必要です。これに対して、田屋はアパレル他社との競争よりも、とにかくクオリティーの高いものを扱っていることが、店が代々続くことにつながるという考え方です」

「田屋には親子代々、あるいは3代続く顧客も少なくありません。その期待を裏切らないように高い品質を保つことが基本になります。流行は追いません。他社がこぞって商品価格を下げた2008年のリーマン・ショックのときも、違うものを扱っていたので影響をほとんど受けませんでした」

――しかし、クールビズの影響もあって、ネクタイ離れが加速しているようにみえます。

「クールビズは小泉純一郎内閣の小池百合子環境相のもと05年に始まりました。当初はネクタイの販売本数が落ちることはなかったのですが、11年の東日本大震災での節電要請をきっかけにガタンと落ち込みました。クールビズに震災の節電モードが重なって、ネクタイをしない人が急に増えたのです」

「銀座という街自体の需要は拡大していますが、地方の百貨店などでは売り場面積が縮小するようなケースも目立ってきています」

「現在では販売構成も変わり、ネクタイ4割、オリジナルシャツが3割。イタリアから輸入した小物が1割、ジャケット2割です」

「しかしネクタイ自体がなくなることはないでしょう。最近は企業やクラブなどからオリジナルタイの受注が多くなっています」

「8本から4本単位でのオーダーメードを受注しています。デザインによって価格は異なりますが価格は1本1万円から。デザイン料は初回3万円からです。近い将来は世界に1本しかない『あなただけのネクタイ』も受注できるシステムを構築しなければならないと考えています」

(聞き手は松本治人)

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