スナックママがキャリア助言 おじさんに自由と勇気をヒキダシの木下紫乃・最高執行責任者

大学院在学中にフリーのコンサルタントになった紫乃さんは、独自の人材開発を模索し始める。「昭和女子大学の社会人向けスクールの事務局にも携わっているので、女性活躍という文脈での依頼も多かった。それで日本で女性や若手の活躍を阻んでいるのは、『おじさんイズム』だなと考えていたんです。私も同世代ですが、自分が脅かされるという恐怖心から、新しいものを拒絶するんです」

おじさんがもっと自由になれば、若い人にも寛容になれるのではないか――。おじさん側からのアプローチに独自性を見いだそうとした紫乃さん。「女性活躍とおじさんは遠いように見えますが、ミドルシニアの支援からやっていけば、社会は変わるんじゃないかな。『俺はもうおじさんだから諦めている』という人に、そんなことはないよ、少しずつでも新しいことを始めたら面白いよと、背中を押してあげたいと思って」。そして16年に人材コンサル会社のヒキダシを設立した。

踏み出せない人の「自分」を引き出す

「ヒキダシワーク」と呼ぶワークショップで本音を引き出すのが紫乃さんの手法だ。まずは自分史を振り返って、人脈マップや信条、強み・弱み、どんなときに楽しさを感じ、貢献できたと思ったのか、などを書き出してもらう。こうした対話で「今の仕事以外に、こんな可能性があるんじゃないか」と気付いてもらうのが狙いだ。

「ほかの人から言われた『自分像』をそのまま書く人が多い。『本当にそうなの? なんでそう思うの?』と突っ込んでいくと、だいたい本当の自分を隠すベールが何枚かあるんですよね。ただ、それは痛い部分でもあって、ふがいない自分も認めないといけないこともあるから、途中で黙り込んでしまう人も少なくないです」

ワークショップに参加するような問題意識を持つ人だけでなく、もやもやしている段階の人にも手を差し伸べたいと思ううち、スナックに行き着いたというわけだ。スナックの今後について、紫乃さんは「昔の赤提灯(ちょうちん)の居酒屋みたいな場にしたいですね。今風に言えば、サードプレイスでしょうか。一人になれるサードプレイスも必要だと思いますが、会社の肩書を外して人に会える場所も意外と必要なんじゃないかな」。

スナックで人と人をつなげ、強みを引き出す紫乃ママ。ドイツで答えられなかった質問に、今ならこう答えるのだろう。「引き出し屋」だと。

(安田亜紀代)

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