検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

温泉や武家屋敷・グルメ… 歩きたい小さな城下町10選

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

天守があってもなくても、城下町は魅力的だ。
武家屋敷や商家が歴史を伝え、グルメも楽しめる。
1日で歩いて回れる城下町を、旅好きの専門家が選んだ。

藩政支えた個性 時代に合わせ進化

江戸時代には約300の藩があり、城下町があった。財政を支える特産品の開発や商業の発展に各藩が力を入れ、それが町の繁栄と個性につながった。廃藩置県を経て城郭が取り壊された城下町も多いが、町の個性は消えていない。

例えば松江に茶の湯を根付かせた松平不昧公が没して200年になるが、その文化は今も生き続け、人を引きつける。城下町にスイーツの名店が多いのも、和菓子作りの伝統が根底にある。

明治維新後には進取の精神を発揮した。弘前市や近江八幡市には明治以降の洋館が数多く残り、高梁市には岡山県最古の教会堂が現存する。時代の変化に合わせ、新たな文化を積極的に導入した痕跡が、城下町に新たな魅力を加えている。

今回のランキングは点数の差が小さかった。犬山城下(愛知県)、村上城下(新潟県)、萩城下(山口県)、大野城下(福井県)なども高い評価を得た。ランキング上位以外にも魅力的な城下町はまだまだある。自分だけの城下町を探しに出かけてみてはどうだろう。

1位 松山城下
(松山市) 400ポイント
電車・温泉・銘菓、ぎゅっと

「乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ」。夏目漱石の「坊っちゃん」が驚いた路面電車が復活し、今も街をガタゴト走る。車窓をのぞくと街を見守る城が山の上に。温泉あり、銘菓あり、商店街のにぎわいもあり。「松山には城下町の魅力がコンパクトに詰まっている」(木下斉さん)

道後温泉本館は工事中だが、入浴は可能。路面電車の「坊っちゃん列車」は道後を出発し、明治の車掌の衣装を再現したガイドの案内で堀端を走る。

松山の郷土菓子といえば、あんをカステラ地で巻いたタルト。「藩主が長崎から製法を持ち帰った」(河野武さん)と江戸時代からの歴史がある。「かんきつのスイーツや海の幸が楽しめる店が軒を連ねる。銀天街や大街道などにぎわいのある商店街が飽きさせない」(千葉千枝子さん)。坂の上の雲ミュージアムや子規記念博物館など見どころも多い。

(1)JR松山駅(2)089・935・7511(松山観光コンベンション協会)

2位 八幡山城下
(滋賀県近江八幡市) 380ポイント
琵琶湖への水路 堀巡り楽し

琵琶湖に面して水路を開き、礎を築いたのは豊臣秀吉の甥(おい)の秀次。「その八幡堀を再生し観光地に仕上げた。橋に立つとタイムスリップしたかのよう」(黒田涼さん)。春は両岸の桜が花を散らし、その下を手こぎの屋形船でくぐる堀巡りが楽しい。

新町通りは近江商人の本拠地。一般開放している商家では「三方よし」の精神を学べる。近くには明治から昭和に活躍した建築家、ヴォーリズの作品が残り、「江戸の商家と洋館が違和感なく並ぶ」(津田令子さん)。織豊の時代から近代化へと、歴史の流れを感じられるのが他の城下町にない魅力だ。「近江牛を手軽に食べられる店や、洋館にカフェがあるのもうれしい」(中元千恵子さん)。

(1)JR近江八幡駅(2)0748・33・6061(近江八幡観光物産協会)

3位 松江城下
(松江市) 360ポイント
老松並木の武家屋敷 一筋に

2015年に天守が国宝指定された松江城。その北側の堀に沿って続く「塩見縄手」が城下町の様相を今に伝える。縄手とはひとすじに延びる道のこと。黒板塀と白壁の武家屋敷、老松の並木が連なる。

城を囲む堀川を、船頭の手さばきでひと巡りする遊覧船が楽しい。「着物をレンタルして塩見縄手を歩き、船から武家屋敷や天守を見上げれば、城下町風情にじっくり浸れる」(富本一幸さん)

7代藩主の松平不昧(ふまい)公が根付かせた茶の湯文化が残り、和菓子店が多い。観光協会は抹茶と和菓子が楽しめるガイドツアーを開催。「松江歴史館では和菓子作りが体験できる」(黒田さん)。宍道湖畔から眺める夕日が旅の疲れを和ませる。

(1)JR松江駅(2)0852・27・5843(松江観光協会)

4位 弘前城下
(青森県弘前市) 350ポイント
江戸から現代 名建築ずらり

桜の名所で全国に知られる弘前だが、江戸時代の寺院から現代建築の巨匠・前川国男の作品までバラエティーに富んだ建物が残り「さながら建築博物館都市」(黒田さん)。教会なら日本基督教団弘前教会やカトリック弘前教会、洋風建築なら旧藤田家別邸や青森銀行記念館などが代表例だ。地元の「弘前路地裏探偵団」が見どころをガイドする「まちあるきツアー」が人気だ。

リンゴのスイーツも見逃せない。「シードルや、店によって味が異なるアップルパイなど、おしゃれなレストラン、カフェが豊富」(千葉さん)。

(1)JR弘前駅(2)0172・35・3131(弘前観光コンベンション協会)

4位 松本城下
(長野県松本市) 350ポイント
曲がった通りは堅城の名残

信州・松本の魅力は、国宝の城にとどまらない。「なまこ壁の土蔵が立ち並ぶ中町通りは、ショッピングや食事を楽しめる観光ストリート。道が曲がっていて少し歩きにくい場所があるが、侵入する敵を意識した城下町ならではの構造」(いなもとかおりさん)だ。

「縄手通りは江戸期の城下町の風景を再現している。懐かしい玩具や古民具、駄菓子店が並び、そばやおやき、山賊焼きも食べられる」(津田さん)。「歩いて楽しい店があり、写真スポットも多い」(木下さん)。地元出身の草間弥生さんの作品が集まる市美術館も見どころ。

(1)JR松本駅(2)0263・34・3295(松本観光コンベンション協会)

6位 飛騨高山城下
(岐阜県高山市) 330ポイント
建物活用 天領の雰囲気健在

江戸時代に天領として栄えた飛騨高山。代官の役所だった陣屋が現存し、江戸期からある屋敷が軒を連ねる。当時から続く朝市も健在だ。「江戸時代からの町並みが見事に残り、建物を生かしたレストラン、カフェなどがあちこちにある。通りは古めかしくても中はモダンな要素も取り入れていて、ゆっくりくつろげる」(黒田さん)

訪日外国人にも人気がある。「飛騨牛を使用したハンバーガーなどのグルメもあり、街歩きが楽しい」(森戸香奈子さん)。3月2日までは「酒蔵めぐり」を開催中で、造り酒屋の酒蔵を無料で見学できる。

(1)JR高山駅(2)0577・36・1011(飛騨・高山観光コンベンション協会)

7位 川越城下
(埼玉県川越市) 310ポイント
蔵・大正・菓子屋 趣いろいろ

東京から電車で1時間足らず。蔵造りの街並みで知られる川越は「東京都心から最も行きやすい城下町」(木下さん)。江戸時代には水運で栄えた。蔵造りゾーンを中心に、レトロな大正浪漫夢通りや菓子屋横丁など趣が異なる通りが続き、そぞろ歩きにうってつけ。着物姿に着替えた観光客が城下町風情に色を添え、江戸から続く「時の鐘」が、今は機械仕掛けの音色を響かせる。

名産のサツマイモを使った和菓子など食べ歩きが人気。ウナギの老舗も多い。両方を楽しむなら「さつま芋ご飯にウナギを載せた『いもうな重』」(千葉さん)。

(1)東武東上線川越駅(2)049・227・8233(小江戸川越観光協会)

8位 岩村城下
(岐阜県恵那市) 290ポイント
商家現役 伝統の暮らし今も

JR恵那駅からローカル線の明知鉄道を乗り継いで行く小さな城下町は、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気を持っている。山城の岩村城跡へと続く「約1.3キロメートルの本町通りの街並みは圧巻。緩やかな坂道に並ぶ格子戸や塗籠(ぬりごめ)壁の商家は今もほとんどが現役で、伝統の暮らしが息づいている」(中元さん)。

NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」のロケ地にもなった。「ドラマに出てくる五平餅やカステラ、かんから餅の店や地酒の蔵元などが点在していて、街歩きが飽きない」(津田さん)。

(1)明知鉄道岩村駅(2)0573・25・4058(恵那市観光協会)

9位 備中松山城下
(岡山県高梁(たかはし)市) 280ポイント
時を止めた静かな町並み

岡山県の山中にある盆地の町。標高430メートルの山頂にたたずむ山城は雲海に浮かぶ天守で有名だが、その麓には静かな城下町が広がる。「まず武家屋敷群が迎えてくれる。道の間から刀を構えた侍が飛び出してきそうな雰囲気がある」(いなもとさん)。建物の内部や庭園が見学できる武家屋敷があり、当時の武士の暮らしぶりをしのばせる。

「街道沿いには町人が暮らした雰囲気がそのまま残り、城下町の構造から商業や流通の様子までわかる。江戸時代のまま時が止まったように感じられる」(萩原さちこさん)。

(1)JR備中高梁駅(2)0866・21・0461(高梁市観光協会)

10位 出石(いずし)城下
(兵庫県豊岡市) 230ポイント
そば文化 国替えで根付く

城崎温泉に近い山あい。最寄り駅からバスで30分揺られてたどり着く山陰の隠れ里は、但馬の小京都とも呼ばれる。「町のシンボルでもある辰鼓楼(しんころう)という時計台や家老屋敷、芝居小屋の出石永楽館など見どころたっぷり」(富本さん)だ。

名物の皿そばは外せない。その歴史は信州から国替えした藩主、仙石氏と共にそば職人が移住したことにさかのぼるという。約50店あり、小皿に盛ったそばを何枚も食べるスタイル。「『出石皿そば巡り巾着セット(1800円)』を買えば3軒のそば屋を食べ歩きできる」(河野さん)。

(1)JR豊岡駅(2)0796・52・4806(但馬国出石観光協会)

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は専門家の評価を集計し、点数化した。(1)最寄り駅(2)問い合わせ先電話番号。写真は1~3、10位が尾城徹雄、7、9位が田辺省二、8位が小山隆司撮影。ほかは地元の観光協会などの提供。

調査の方法 お城ファンサイト「攻城団」などの推薦や専門家への取材を基に、石高が江戸期を通じて50万石以下で、天守の有無にかかわらず、城下町としての魅力がある街を30カ所リストアップ。城下町の風情、街歩きの楽しさ、1日で歩いて楽しめる規模かどうか、施設の充実度、グルメ・スイーツなどの魅力などの観点で1~10位を選んでもらい、編集部で集計した。

今週の専門家 ▽いなもとかおり(城マニア・LINEトラベルjpナビゲーター)▽木下斉(エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)▽黒田涼(作家)▽河野武(攻城団団長)▽千葉千枝子(淑徳大学教授)▽津田令子(トラベルキャスター)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽中元千恵子(紀行ライター)▽萩原さちこ(城郭ライター)▽森戸香奈子(じゃらんリサーチセンター研究員)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年2月16日付]

NIKKEIプラス1「何でもランキング」は毎週日曜日に掲載します。これまでの記事は、こちらからご覧下さい。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
画面例: 日経電子版 紙面ビューアのハイライト機能
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_