――専門店の高級食パン人気の先行きは。

「高級食パンは消費者の嗜好に合ったので人気が出ましたが、主食として食べるというよりは、お土産にして誰かに喜んでもらったり、週末のぜいたくで食べたりとか、購入の仕方が非日常的になっています。過去の歴史を振り返ると、ずっと続いた食ブームはありません。1990年代には、車で移動販売する焼きたてのメロンパンがはやりましたが、やがてブームは去りました」

――御社のパン出荷の現状は。

「当社のパンの売り上げのうち菓子パンが約50%、食パンは約15%です。パン全体の売り上げは伸びていますが、食パンは横ばい傾向です。若い世代などが朝食を菓子パンで簡単に済ませるようになってきているからです。食パンをトースターに入れて3分間、焼き上がるのを待つのなら、小分けされたスティック状の菓子パンを子どもに与える方が手軽です。カルシウムや野菜がしっかり入っている菓子パンも多く、食パンは少しずつ敬遠されるようになっています」

――高級食パンの市場が広がる中で、御社はどう対応していますか。

「高齢者らの間にはお米よりパンの方が調理に手間がかからないとの声があり、上質で食べやすい大きさの食パンを求めています。当社は4年前から上質な小麦粉を使った通常より小さめな食パン『ゴールドシリーズ』を出しています。今年1月にはプレーンタイプの『クリーミーゴールド』を発売し、高級食パンの需要に応えようとしています」

(編集委員 前田裕之)

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