製パン業界も動き出しています。業界最大手の山崎製パンは今年1月、上質な小麦粉を使ったプレーン食パン「クリーミーゴールド」を発売しました。「最高の品質とおいしさ」をうたうゴールドシリーズの新商品です。宮沢良明マーケティング部次長は「専門店の高級食パンは『非日常食』として売り上げを伸ばしている。当社は高齢者らの日常食となる高級食パンを提供したい」と強調します。飽和気味の市場で健闘する高級食パンは、個人消費を伸ばすには何が必要か、多くのヒントを与えてくれます。

宮沢良明・山崎製パンマーケティング部次長「小麦本来の食感楽しめる」

専門店の高級食パン人気を、大手パンメーカーはどう受け止めているのでしょうか。山崎製パンの宮沢良明マーケティング部次長に聞きました。

――昨今の高級食パン人気をどうみていますか。

宮沢良明・山崎製パンマーケティング部次長

「セブン&アイ・ホールディングスが2013年に発売した『セブンゴールド 金の食パン』はほぼ1年半にわたり、売り上げが急増しました。当初、6枚切りの1斤が250円で、通常の約2倍の値段でした。我々には想像もつかない製品でしたが、パン専門店で300円くらい支出するのは当たり前という人が多いのだから、上質な食パンなら値段が高くても売れるという同社の読みが的中したのです。その後、少し下火になりましたが、18年に入ると専門店による高級食パンの人気が一気に高まり、再び高級食パンが注目を集めるようになりました。大阪発祥の『乃が美』が火付け役だとみています」

「『金の食パン』と現在の専門店による高級食パンには、『食べ口』が違う部分があります。私の主観になりますが、『金の食パン』はバターのコクやうま味といった一口食べると分かりやすい味わいがありますが、現在の高級食パンは上質な小麦粉の良さを引き出すことをメーンに製造している感じがします。水分が多く含まれ、小麦本来のもっちりとした食感が楽しめます」

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