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えっ!鶏肉にチョコレート? メキシコの魅惑のソース

メキシコの有名リゾート地カンクンのレストランで食べたモレ

「もちろん、ありますよ。うちのモレは特別なんです。いろいろなスパイスやナッツを使って丸1日煮込んであります。複雑な味がしてとてもおいしいんですよ!」

というような説明をしてくれた。運ばれてきたモレ・デ・ポジョは見た目はデミグラスソースをかけた鶏肉のよう。しかし、ソースを一口なめてみると想像を裏切られる味。チョコレートの風味が鼻をつき抜ける! しかし、甘くない! え、え? チョコレートの香りはするのに味はチョコレートじゃない!! と脳がちょっと混乱する。

そして、次にホロ苦くて、タマネギのやさしい甘みやトマトのかすかな酸味、トウガラシの辛さ、塩気と鶏肉のうま味、つまり味覚のすべてが口の中に広がる。考えてみればこんな複雑な味、今までに味わったことがないかも。やがて「あれ? これ嫌いじゃないかも!」と思えてくる。

ほかの店でもモレを注文したが、その店でも「うちのモレは特別です」と胸を張る。タコスに関してはウンチクを語られることはなかったが、モレに関しては店ごとに一家言があるようなのだ。

モレは数種類のトウガラシ、アーモンドやピーナツ、ゴマなどのナッツ類、レーズンなどのドライフルーツ、シナモン、オレガノなどの香辛料ほか、20種類以上の材料が使われている。それだけに店ごと、家ごとに「隠し味」があるのではないか。ちょうど日本の家庭におけるカレーのようなものかもしれない。

メキシコに甘くないチョコレートのソースが存在するのはチョコレートの歴史を考えれば実は不思議でもなんでもない。

カカオというとガーナなどアフリカ発祥というイメージがあるかもしれないが、意外なことにメキシコが原産地である。紀元前2000年ごろにはすでにカカオを栽培していたらしく、先住民たちはカカオをすりつぶしたものにバニラやとうがらしを入れて飲んでいたようだ。

それがヨーロッパに渡ったときに、飲みやすいようにとトウガラシが外され、砂糖や牛乳が加えられた。最終的には現在のような固形のチョコレートにする技術が発明されたという。

だから、昔のメキシコの先住民が今のチョコレートを見たら、「甘いチョコレート? 気持ち悪い!」と思うのかもしれない。

さて、最近では日本のスーパーやコンビニでもカカオ含有量が70パーセントを超える甘くないチョコレートが手に入るようになった。まさにモレを作るのにピッタリである。日本で手に入りやすい材料で、簡単にモレを作れるようにアレンジしてみたので、紹介しよう。

〈材料:2人分〉
鶏モモ肉 2枚 / タマネギ 1個 / ニンニク 1片 / チリパウダー 小さじ半分 / ピーナツバター 大さじ1 / クミン 小さじ1 / シナモン 小さじ1 / トマト缶(ホールでなく、トマトが小さくカットしてあるもの) 半分 / ワイン(赤でも白でも)100cc / チョコレート 20グラム / 塩小さじ 2杯 / コショウ 少々 / オリーブオイル 適宜 / ご飯 2膳分
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