健康・医療

from 日経Gooday

有森裕子 マラソン挑戦、スタート直後は「抑えめ」に

日経Gooday

2019/2/24

マラソンのスタート直後は無理に前に出ようとすると危険です。写真はイメージ=(C)anoyo-123RF
日経Gooday(グッデイ)

暦の上では立春を迎えましたが、依然寒さ厳しく、春を実感できるのはまだ先のようです。インフルエンザもまだまだ流行っていますし、体を冷やさないよう温かい格好をして、体調管理に努めたいですね。

■集団の中で転倒しないためには?

さて、2019年も年明けから、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝、大阪国際女子マラソンと、駅伝やマラソンの大きな大会が目白押しでしたね。東海大学が悲願の総合優勝を果たした箱根駅伝は見どころ満載でしたが、1区でのアクシデントが記憶に残っている人も多いかと思います。

1区では、スタート直後わずか1分ほどで、大集団の中を走っていた大東文化大学の選手が他の大学の選手と接触して転倒。そのときに捻った左足を引きずりながら、約21kmを完走して次の走者にタスキを渡しました。

この光景を見て、2018年10月のプリンセス駅伝でケガをした女子選手が、四つんばいになってタスキをつないだアクシデントを連想した人もいたかもしれません(関連記事「女子駅伝『はってでも…』は美談じゃない(有森裕子)」)。

スタート直後など、集団の中で走るときは、市民ランナーも気をつけなければいけません。特にベストタイムの更新を狙っているランナーは、スタート直後から早く自分のペースを作ろうとして、他のランナーと接触することがあります。歩幅やリズムは一人ひとり違いますから、周りを無視した走りをしたり、逆に集団のスピードに合わせようと他のランナーに近づきすぎたりして、足を踏む・踏まれるなどの接触事故が起こる可能性が高くなるのです。

もし集団の中から抜け出したいのであれば、歩幅を狭くして小走りで選手の合間をすり抜けていく方法もあります。私自身、1995年にアトランタ五輪の代表選考会を兼ねた北海道マラソンに出場したときは、男性選手の集団からのスタートでした。小走りで男性選手の合間をうまく抜けながら前に出て行き、自分のペースをできるだけ早く作った覚えがあります。

とはいえ、市民ランナーは、そんなリスクを取る必要はありません。大きな大会になるほど、先頭ランナー以外は最初の5kmぐらいは集団で走る場合が多く、どんなに焦ってもなかなか思うように抜け出せないものです。

私がゲストとして参加するマラソン大会でも、スタート直後に無理に前に出ようとするランナーを見かけることが多く、その度に危ないなと思います。焦る気持ちは分かりますが、転倒して捻挫でもしたら本末転倒です。

集団の中からスタートする時は、無理してすぐに自分のペースを作ろうと思わないこと。すぐに自分の歩幅で走ろうとしないでください。自分の周りが少しバラけて空間に余裕ができるまで待ってから、自分のペースで走りましょう。周りの選手の足元を見るぐらいの余裕を持って、安全第一に走ることが、完走するための得策だと思います。

■スタート直後のペースを抑えて走ってみたら…

実は最近、そんなふうにスタート直後は焦らずゆっくり走ればいいんだと実感したことがありました。それは、2018年11月に開催された「おかやまマラソン2018」を走ったときのエピソードです。

これまでたびたび話題にしてきたように、年1回、この地元の大会だけはフルマラソンを走る私ですが、今回は今まで以上に忙しく、筋力を落とさないように階段の上り下りをやったり、1度だけ大島で30kmを走ったりしたぐらいで、トレーニングする時間がほとんどありませんでした。

「フルマラソンを走る前にしっかりした準備を!」と常々この連載で皆さんに話しているのにお恥ずかしい限りですが、正直なところ、今回ばかりは「ゴールできるかしら」「足裏を痛めるかも…」と不安を抱えたまま臨むことになりました。

ところが、蓋を開けてみると、前年(5時間9分)よりも10分速い4時間58分で完走。前年同様、運営側のスケジュールの関係で、5時間台でゴールするという約束を意識した上でのタイムでしたが、それでもリタイアせず、参加者のみなさんと交流を図りながら前年より10分も早くゴールできたのは、私にとって驚きでした。

前年の走りと何が違ったかというと、それはスタート直後のペースです。実は、今回は毎年出場してくださっているストライプインターナショナル社長の石川康晴さんと一緒にスタートすることになり、彼のペースに合わせて途中まで走ることにしました。

健康・医療 新着記事

ALL CHANNEL