山本寛斎、なぜ75歳で北極圏挑戦? ロマンが活力に編集委員 小林明

――肉体改造もかなり進んだようですね。

「地道にトレーニングを積み重ねてきた成果か、体調は極めて良好。毎日、食事がおいしくて仕方がない。『肌に艶や張りが出ててきた』と知人からもよく言われる。体重は77キロ。トレーニング前は増加傾向だったが、今はご飯をいくら食べても体重が増えることはない。ストレスもなく、夜もぐっすり寝られる。睡眠時間は平均8時間。以前よりも1、2時間は増えた。新たなことに挑戦するので生活に適度な緊張感があり、今着ている銀色のジャケットのように私の気分も上がっている」

トレーニングの成果なのか、「肌に艶や張りが出ててきた」と最近よく言われるという

最終目的地はケンブリッジ・ベイ、寒ければ零下35度以下も

――ルートや日程など冒険の詳細を教えてください。

「3月8日に日本を出て、カナダのバンクーバーを経由し、北極圏から400キロ南にあるイエローナイフに滞在。そこからさらに約800キロ北にある最終目的地のケンブリッジ・ベイまで飛行機で移動する。帰国予定日は3月17日。ケンブリッジ・ベイは人口1500人ほどの集落で8割以上が先住民のイヌイット族。植村直己さんが74~76年に北極圏1万2000キロを犬ぞりで探検した際に通過した場所としても知られる。3月中旬の現地の気温は最高でも零下25度以下、もっと寒ければ零下35度以下に下がることもあるらしい」

「荻田さんのほか、社員2人が随行し、4人のチームで行動する。私も年なので、さすがに命を賭けるようなムチャはしないが、自分なりに冒険を存分に楽しみたい。キャンプや白クマなどを撃つための狩猟小屋もあるそうだ。基本的にはホテルに宿泊しながら、現地の人が何を考え、どんな暮らしをしているのか。自分の目や耳、肌で体験してくるつもりだ。体調や天候などを慎重に見極めながら、自分がどこまで行動できるか挑戦したい。インターネットを通じて現地から情報発信もする」

人食い族、鳥葬……、北極ではどんな文化と遭遇できるか

――異文化に接するのはワクワクしますね。

「パプアニューギニアでは人食い族に襲われたという集落を訪問したし、チベットでは鳥葬の習慣も見てきた。やはり聞くと見るとでは大違い。世界各地には気候風土や歴史が育んできた独自の貴重な文化がある。果たして、北極圏ではどんな文化に遭遇できるのか、今からとても待ち遠しい」

旭川の合宿で苦手だった羊肉も食べた。「おいしかった。食わず嫌いだった」

「荻田さんによると、現地ではあまり風呂に入らないし、ビタミンを補給するため、生肉も食べるそうだ。羊も料理によく出るらしい。実は私は羊肉が大の苦手なので少し心配していたが、旭川の合宿で羊肉を食べてみたら、おいしくてビックリ。私の食わず嫌いだったようだ。オットセイやセイウチの生肉も食べるそうだが、鯨肉などはそもそも大好物だし、食事はおそらく問題ないだろう。このほかイヌイット族の伝統的な衣装の素材や色彩、デザインについても色々見学したい」

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