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山本寛斎、なぜ75歳で北極圏挑戦? ロマンが活力に

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

世界的なファッションデザイナーとして知られ、音楽、舞踏、演劇などを盛り込んだ総合イベント「スーパーショー」を演出するプロデューサーとしても活躍する山本寛斎さん(75)が今年3月に北極圏を冒険する準備を進めている。「北極に元気をもらいに行く。現地に住むイヌイット族らと交流し、生活習慣や民俗衣装、食事など様々な異文化を体験したい」。日本経済新聞のインタビューに応じた寛斎さんは、北極圏への冒険を決意した経緯や具体的なルートや日程、現在の心境などについて明らかにした。

冒険家の荻田さんと面会、「一緒に北極圏を冒険したい」

――北極圏への冒険を決断したきっかけは。

「自分の好奇心、知識欲だ。未知の場所や文化にはもともと興味があった。1970年代後半にまだ幼かった娘をベビーカーに乗せてアフガニスタンの砂漠を横断する家族旅行をしたし、その後、会社のスタッフと一緒にパプアニューギニアやチベットを旅したこともある。ただ氷点下25度以下にもなる極寒の場所を訪れるのは今回が初めて。体力には限界があるが、挑戦を通じて自分が何を感じ、どう変化するのか、今から楽しみにしている」

「寒冷地への冒険といえば、南極点到達を競ったノルウェーのアムンゼン隊と英国のスコット隊、犬ぞりで北極点を単独初到達した植村直己さんらが世界的に有名。これまで自分なりに書籍や映画など資料を集めてきたが、北極圏の単独徒歩行に取り組む冒険家の荻田泰永さんの存在を知ったことが、今回の挑戦を決断した直接のきっかけになった。荻田さんの著書『北極男』を拝読し、お会いしたのが昨年2月8日。対話するうちにすぐに意気投合。大いに感銘を受け、一緒に北極圏を冒険したいという気持ちが急速に膨らんできた」

片道5キロを徒歩通勤、今年1月には旭川で耐寒合宿も

――どんな準備をしているのですか。

「まずは体力を鍛えないといけないので、昨秋からトレーニングとして自宅がある東京の代々木上原から会社がある三軒茶屋までの片道5キロほどを2時間くらいかけて歩いている。また氷点下の寒さに慣れるため、今年1月に荻田さんと旭川で耐寒合宿してきた。防寒用のウエアや帽子、手袋、靴を用意し、下着を6枚も着込んで深い雪の中を動き回った。荻田さんは北極圏での経験が豊富なので色々と指導してもらっている。北極圏はどんな感じなのか。まだ少し恐怖心もあるが、だいぶイメージがつかめてきた」

――肉体改造もかなり進んだようですね。

「地道にトレーニングを積み重ねてきた成果か、体調は極めて良好。毎日、食事がおいしくて仕方がない。『肌に艶や張りが出ててきた』と知人からもよく言われる。体重は77キロ。トレーニング前は増加傾向だったが、今はご飯をいくら食べても体重が増えることはない。ストレスもなく、夜もぐっすり寝られる。睡眠時間は平均8時間。以前よりも1、2時間は増えた。新たなことに挑戦するので生活に適度な緊張感があり、今着ている銀色のジャケットのように私の気分も上がっている」

最終目的地はケンブリッジ・ベイ、寒ければ零下35度以下も

――ルートや日程など冒険の詳細を教えてください。

「3月8日に日本を出て、カナダのバンクーバーを経由し、北極圏から400キロ南にあるイエローナイフに滞在。そこからさらに約800キロ北にある最終目的地のケンブリッジ・ベイまで飛行機で移動する。帰国予定日は3月17日。ケンブリッジ・ベイは人口1500人ほどの集落で8割以上が先住民のイヌイット族。植村直己さんが74~76年に北極圏1万2000キロを犬ぞりで探検した際に通過した場所としても知られる。3月中旬の現地の気温は最高でも零下25度以下、もっと寒ければ零下35度以下に下がることもあるらしい」

「荻田さんのほか、社員2人が随行し、4人のチームで行動する。私も年なので、さすがに命を賭けるようなムチャはしないが、自分なりに冒険を存分に楽しみたい。キャンプや白クマなどを撃つための狩猟小屋もあるそうだ。基本的にはホテルに宿泊しながら、現地の人が何を考え、どんな暮らしをしているのか。自分の目や耳、肌で体験してくるつもりだ。体調や天候などを慎重に見極めながら、自分がどこまで行動できるか挑戦したい。インターネットを通じて現地から情報発信もする」

人食い族、鳥葬……、北極ではどんな文化と遭遇できるか

――異文化に接するのはワクワクしますね。

「パプアニューギニアでは人食い族に襲われたという集落を訪問したし、チベットでは鳥葬の習慣も見てきた。やはり聞くと見るとでは大違い。世界各地には気候風土や歴史が育んできた独自の貴重な文化がある。果たして、北極圏ではどんな文化に遭遇できるのか、今からとても待ち遠しい」

「荻田さんによると、現地ではあまり風呂に入らないし、ビタミンを補給するため、生肉も食べるそうだ。羊も料理によく出るらしい。実は私は羊肉が大の苦手なので少し心配していたが、旭川の合宿で羊肉を食べてみたら、おいしくてビックリ。私の食わず嫌いだったようだ。オットセイやセイウチの生肉も食べるそうだが、鯨肉などはそもそも大好物だし、食事はおそらく問題ないだろう。このほかイヌイット族の伝統的な衣装の素材や色彩、デザインについても色々見学したい」

86歳の三浦さんに敬意、冒険家は価値観が違う

――86歳の冒険家の三浦雄一郎さんが南米最高峰のアコンカグアへの登頂に挑戦し、残念ながら今年1月に断念しました。

「三浦さんは私が尊敬する人生の先輩であり、偉大な冒険家。昨年6月に東京・六本木で主催した『日本元気プロジェクト2018』にも敬意を表して、荻田さんと一緒に三浦さんに出演してもらった。北極圏への冒険は三浦さんを特に意識したわけではないが、私がチベットに行った際、低酸素トレーニングなどで三浦さんに協力いただいたことがある。86歳になっても新たな冒険に挑戦するガッツは素晴らしい。自分も大いに見習いたい」

――北極への冒険を決意して、新たな発見はありますか。

「何をするにも人は『商業的なメリットはなにか』などと考えがち。でも荻田さんにしても、植村さんや三浦さんにしても、一流の冒険家はやはり人生の物差しや価値観が違う。私は、これまでクリエーターとして実力をそこそこ発揮できたとは自負しているが、無心で挑戦できる若々しい気持ちだけはこれからも持ち続けたい。男の生きがいやロマンは数字だけではない。それが人生の活力になる」

「あと5年は大丈夫」と自信、世の中を明るく元気に

「年齢を重ねるほど、自分は本当に知識が不足していると痛感させられる。『もっと本を読まなければ』と感じたのは70歳代に入ってから。それまでは行動主義を重視していたが、読書主義も実践しようと思い立ち、書店に足しげく通い、書籍代にかなりの金額を費やすようになった。公立図書館にもよく行く。以前は江戸の古地図などを集めていたが、最近はアイヌ民族や縄文時代にも興味が広がってきた。先日、鑑賞した北野武監督の映画『キッズ・リターン』の影響で、最近はボクシングにも挑戦してみたいなんて考えている」

――挑戦に終わりはないですね。

「私も世間並みに老いを感じることはある。だが北極圏冒険に向けてトレーニングを始めてからは、体調がめっきり良くなり、『あと5年は大丈夫』と自分の体力に自信が持てるようになった。とにかく残りの人生、最後まで全力で走りきり、世の中を明るく、楽しく、元気にしたい。それが自分の夢であり、生きがいだ」

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