インフルでも会社が「休むな」 法的に許される?弁護士 志賀剛一

写真はイメージ=PIXTA
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Case:50 インフルエンザにかかって高熱が出ているにもかかわらず、部長から「A君も先週インフルエンザにかかっていたが、念のため『休むか?』と聞いたら志願して出社していたぞ。君だけ特別扱いはできないなぁ」と言われ、休ませてくれません。これは法律上問題があるのではないでしょうか。

季節性のインフル、就業制限の対象外

あなたが罹患(りかん)したインフルエンザはAさんのウィルスによるものかもしれませんね。早晩、この部長も罹患するような気がします。

この冬、猛威を振るうインフルエンザ。各地で学級閉鎖や学校閉鎖が相次いでいます。学校の場合には学校保健安全法という法律があり、その施行規則でインフルエンザは「予防すべき感染症」になっているので、インフルエンザにかかっている児童・生徒の出席停止(期間については規則で「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」と定められています)や予防上必要がある場合の学校の全部または一部の休業、つまり学校閉鎖が法令上規定されています。

ところが、働いている人がインフルエンザに罹患した場合の出勤停止などについて、実は法律上、直接的な規定がないのです。

労働安全衛生法は「事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない」と規定しています。しかし、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」で、新型インフルエンザはこれに該当するものの、季節性インフルエンザは就業制限の対象外である「5類感染症」とされているのです(ノロウィルスなども5類感染症となっており、就業制限の対象外です)。

労働契約法に安全配慮義務

就業が法律で禁じられる新型インフルエンザとなると、日本では2009年に発生した豚由来のインフルエンザA(H1N1)pdm09まで遡ることになります。

毎年流行しているインフルエンザの大半は季節性インフルエンザなので、罹患した社員の出勤禁止を強制する法的根拠がないようにも思えます。

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