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back numberのすごさ 歌と楽器の距離(川谷絵音)

ヒットの理由がありあまる(7)

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NIKKEI STYLE

第7回の曲はback numberの『オールドファッション』です。実は彼らのことをめちゃくちゃ好きで、『聖者の行進』という曲を朝の目覚ましにしているほど。カラオケでも毎回歌っている。

今作もそうだが、今や胸キュンな恋愛ドラマや恋愛映画に合うといえばback numberだ。歌詞でも「君という素敵な生き物の素敵さが/いま2回出た素敵はわざとだからね」とか「お祝いしようって君が/なんにも無い日に言い出すのは決まって/僕がバレないように落ち込んだ時だ」とか、女子の胸キュンポイントをよく分かっている。僕はここまでストレートに書けない。いつ会っても、屈託のない笑顔で話し掛けてくれるのが、作詞作曲を手掛けるギター&ボーカルの清水依与吏氏だ。

そんな胸キュンな歌詞に、J-POPの王道アレンジであるラストサビでの転調、そして半音上がるということまで、本当にさらっとやってのける。このさらっと感がback numberなんだよなぁとつくづく思う。

では、back numberのすごさとは一体何なのか。今回は残りの行数でたっぷり書いていきたいと思う。それは依与吏さんの「偏った圧倒的インプット量」と「歌のうまさ」だ。何に偏っているかというと、ズバリJ-POPだ。僕の予想だが、依与吏さんはおそらくJ-POPしかほとんど聴いていないのではないだろうか。怠惰で洋楽などを聴いていないのではなく、J-POPが本気で好きなんだと思う。ここまで洋楽的引用を微塵も感じないバンドも珍しい。ただ、それがback numberのJ-POPど真ん中にいながら、他を寄せ付けない圧倒的な人気につながっている。現在ラブソングで彼らのように、毎回Aランク以上の曲を連発できるバンドは他にいない。寄り道せずにJ-POPを本気で聴いてきたことによる"売れる"曲への理解が半端ないわけだ。

僕は、ゲスの極み乙女。でもindigo la Endでもそうだが、ジャズやプログレのような、J-POPにおいては偏っているとされるアレンジを多々入れる。楽器が立つ音作りだ。つまり歌と楽器の優位性に差がなく同列なのだ。僕らのような、歌と楽器アレンジがバチバチに競い合っているバンドはあまりいないと個人的には思っている。しかしその結果、副作用として歌のメロディーを多少なりとも殺してしまう。

一方、back numberは歌と歌詞が圧倒的に前に出ていて、楽器は基本的にはそれを引き立たせる役割だ。そんなアーティストはたくさんいると思うかもしれないが、バンドでここまで「歌」と「楽器」の距離が離れていて違和感がないのは彼らくらいしかいない。この「歌」と「楽器」の距離が、イコールJ-POPだけを聴いた量だ。洋楽を聴けばその距離は縮まってしまう。この距離の遠さに堂々としているのがback numberで、それでいてJ-POPと割り切っている感じが全くない。「J-POPが好きなんだ」というメッセージがビシバシ伝わってくる。

そしてもう1つが、依与吏さんの歌のうまさ。音域がめちゃくちゃ広く、低いところから高いところに一気に上がることもあるのに、全くブレない。声質が変わらないまま高いキーを歌い上げている。以前、星野源さんの回でも言ったが、依与吏さんも歌のカロリーが低い。歌い上げていても「歌がうまいだろ?」感があまりないのだ。さらっとビブラートをかけ、さらっとしゃくりも入れる。だから全然嫌じゃないし、自分でも簡単に歌える気になってカラオケで入れるわけだ。その結果、中盤あたりで喉が崩壊する(笑)。依与吏さんの異常な歌のうまさを実感する瞬間。「え?こんな難しい曲をあんなにさらっと歌ってたの?」と。また裏声でも弱くならないし、強すぎもしない。実に絶妙なのだ。

back numberは誰の日常にでも違和感なく入っていける。そのすごさはミュージシャンなら誰もが分かるはずだ。

川谷絵音
1988年12月3日生まれ、長崎県出身。ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoroといったバンドのボーカルやギターとして多彩に活動中。ゲスの極み乙女。が結成7周年を記念して、5月12日に豊洲PITでワンマンライブを開催する。

[日経エンタテインメント! 2019年2月号の記事を再構成]

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