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住宅ローン、繰り上げ返済の損得 減税効果と相殺も

2019/2/17

いま借りている住宅ローンを繰り上げ返済すると、残債が減って利息負担を軽減できるメリットがある。その一方で、住宅ローン減税(控除)を受けている期間中だと残債が減ることで節税効果を薄めてしまうことがある。繰り上げ返済を考えるなら、いつどのようにするのが効果的なのかを考えてみた。

■金利1%以下なら注意

「ここ数年、1%くらいか、さらに低い金利でローンを組んだ人が多い。繰り上げ返済の効果を考えるとき、1%という水準は大きな意味を持つ」。ファイナンシャルプランナー(FP)の小松英二氏はいう。

毎月の返済額とは別に、まとまった額を返済するのが繰り上げ返済。元金の返済に充てられ、その分の支払利息が消えるため、返済負担を効率的に減らせる。

ただし、小松氏が指摘するように1%を下回るような金利で借りている人は、考慮すべき点がある。住宅ローン減税への影響だ。どういうことだろう。

同制度を使うと年末の残債(元金)の1%に相当する額を、所得税から控除できる。残債が3000万円なら減税額は30万円。控除額は年50万円が上限(認定長期優良住宅、2014年4月以降の場合)だ。

控除は最長で10年可能。減税額は残債が多い初期に大きく、残債が毎年減るにつれて縮小していく。繰り上げ返済には、残債を減らして減税効果を薄めるという負の影響があるのだ。

■変動金利型が多数派

それでもローン金利が2%、3%と高ければ利息軽減のプラス効果は大きくなるためさほど気にしなくてよい。悩ましいのは金利水準が極めて低い場合。正負の効果が拮抗するためだ。

ここ数年は変動金利型のローンを選ぶ人が多数派。固定金利型より、さらに金利水準が低いためだ。将来金利が上がる可能性はあるが、大手銀行では10年ごろから1%を下回る金利を提示。ネット銀行などでは現在0.5%を下回る。

では実際に繰り上げ返済はどうすればより効果的なのだろうか。

5000万円を期間35年で借りたという前提で小松氏に試算してもらった。利息の軽減額から減税の縮小額を引くことで、繰り上げ返済による正味の「負担軽減額」を算出している。

図Aは1500万円の資金を1度に繰り上げ返済すると想定。4つの金利水準ごとに、ローンを組んだ後、何年目に繰り上げ返済を実行するのが良いのかを示す(金利は不変)。

まず金利1%のケース。2年目に実行したときの負担軽減額は約327万円にのぼる。3年目、4年目と遅らせるほど効果は少しずつ薄まり、控除期間の10年を終えて11年目に実行した場合は約307万円。金利が比較的高めであるこのケースでは利息軽減の効果が強く表れている。

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